▼骨髄移植推進財団の常務理事(事務局長兼任)だった堀之内敬氏が3月31日付で退任しました。堀之内氏は2004年8月に任期途中の前任者に代わって就任し、昨年春に再任されたのですが、今回も任期半ば(任期は2年)で辞することになったわけで、骨髄移植推進財団のトップ人事としては極めて異常なことです。
▼異常なことのもう一つの視点としては、突然の退任で後任者が決まっていないこともあります。当分の間は常務理事は空席のままだそうです。これまで、常務理事の職は監督官庁である厚生(労働)省のOBが就いてきました。堀之内氏の場合は骨髄移植推進財団で初めてのキャリア経験者として活躍が期待されていました。
▼就任の際には、キャリア官僚OBということで、報酬の大幅なアップが行われましたが、このとき同時に一般職員は5%の給与がベースダウンとなっていました。破格の待遇で迎え入れた有給の「役員」であったのですが、残念ながらその成果はあまり芳しいものは伝わってきていないのが現実でした。
▼これまでにも本誌でお伝えしてきた通り、財団内部では幹部職員による職員へのセクハラ、パワハラなどが指摘され、新聞報道される事態にもなりました。こうした背景の中で労働組合(骨髄ユニオン)が結成されたり、事務所の移転問題で突然に無理な計画がされるなど、大きな混乱が起きていました。
▼そうした中、昨年末から事務所に顔を出さない事態が目立つようになったということが漏れ伝わってきました。辞任の理由は「健康上」だそうですが、就任からわずか1年半あまりでした。今回の退任についても、退職金が支払われることになるのでしょうか。庶民にとっては、気がかりなところではあります。
▼一方、4月になってから、昨年来の事態を招いた責任を問うかたちで、セクハラ・パワハラの事態を理事長に報告した幹部職員に対する査問委員会が開催されました。査問委員会の構成や内容については何も明らかにされてはいません。常務理事が退任した後も、財団内部のぎくしゃくとした状況は続いています。
▼骨髄バンクをサポートする立場の私たちボランティアとしては、労使が協調して、仕事を一途に邁進できる職場環境ができることを願ってやみません。昨年来、ドナー登録者の伸びは好調を続け、骨髄バンクを介した移植もこの3月は初めて月間100例を記録するなど、骨髄バンクの役割はますます大きくなっています。
▼少なくともこうした財団内部の問題が、骨髄移植を待つ患者さんたちにとって、支障が出るような事態になることだけは避けなくてはなりません。そのためには、財団経営の責任を担う役員たちの決断と姿勢が問われているのではないでしょうか。しかし、常務理事という職は、空席のままでも何とかなるものなのですかねえ。
