「東京の会裁判」判決および対応についてのご報告
去る7月26日東京地裁において、いわゆる「東京の会裁判」に対する判決がありました。以下、その概要をご報告いたしますとともに、私たちの今後の方針について、東京の会の活動を応援して下さる皆様に、ご理解いただけますようお願い申し上げます。
1.判決の概要
7月26日、平成20年(ワ)第21549号損害賠償等請求事件についての概要
(1)被告(東京の会及び遠藤允氏)らは30万円、及びこれに対する金利相当分(概ね2年分、金利年5分)を原告に支払え。
(2)東京の会は、WEBサイトにおける東京の会通信第167号(編集者雑記、以下「記事1」と略します)及び、177号(遠藤允氏投稿の「骨髄移植推進財団の「天下り」1考察」、以下「記事2」と略します)について一部削除せよ。
2.当会の今後の方針
上記の判決を受けて、当会は、8月10日までの控訴期間中に2回にわたる臨時定例会を開催し、様々な議論を行い、控訴を断念することとしました。
3.控訴しない理由
判決は結果として当会の敗訴となりましたが、控訴しなかったのは、以下の考えからです。
①判決は削除の対象となった会報の2つの記事について、その掲載は「公共の利害に関する事実によるものであり、かつ、専ら公益を図る目的に出たものと認められる」とし、記事1については「原告に対する人格攻撃や、中傷等を目的とする発言は認められない」とし、記事2についても「原告に対する人格攻撃や中傷等を目的とする表現があるとまでは認められない」としています。この事から、東京の会の問題意識そのものについては、その公益性が認められたと判断できます。
②記事、とりわけ記事2に多く指摘されている原告による事実関係について判決では「真実であると信じるにつき一定の理由が認められるものも少なからずある」としていますが、立証が不十分であったことから今回の判決になったものです。今後、控訴審において勝訴するためには、さらに具体的証言または証拠を提示する必要があります。しかし、記事2に関して、執筆者の遠藤允氏より、ジャーナリストとして「ニュースソースを秘匿することについて、私の基本的な考え方は今後も変わりようがありません」との意思表示が東京の会にありました。また、遠藤氏個人としては、東京の会の判断を尊重するが「控訴を断念したい」とのお考えを示されています。これを受けて東京の会としては、これ以上の証言・証拠を控訴審に提示することは困難と判断するに至りました。他方、記事1についての事実関係について、判決は「被告会が上記摘示事項が真実であると信ずるについて相当な理由があったと認めるのが相当」とし、私たちの主張を概ね認めていると考えられることから、これ以上裁判を続ける意義は少ないと判断しました。
③東京の会が、原告の骨髄移植推進財団在職時代に憂慮し、上記2つの記事を掲載した背景には、当時、多数の財団離職者の存在があり、円滑な移植業務への懸念が増大したことにあります。このため正常な労働環境の確立が求められたところであり、その象徴的な事例が、財団元総務部長、山崎裕一氏の解雇に係る労働契約上の地位確保裁判でありました。この裁判については、山崎氏の財団復帰を認める和解協定が成立したところであり、離退職者の減少や職員定着化に向けた措置が講じられていることなどから、東京の会の目指した財団の正常な労働環境整備に向けて一定程度の改善がみられ、私たちが本裁判をおこなった意義はそれなりに達成されたと考えられます。
以上の考えに基づき、東京の会としては、判決内容を考慮すると、当会の基本的な主張を排除するものではなく、今後の活動に何ら影響を与えるものではないこと、他方、裁判を継続することによる労力、経済的なデメリットの大きさを考慮すれば、これ以上得るものが少ないと考えられること等を総合的に判断して、控訴しないことを決定したものです。
2年にわたる裁判期間中、多大なご支援・ご協力をいただいた皆様、まことにありがとうございました。期待に添う結果が得られなかったことは大変残念ですが、その一方では、多くのことを学び、多くの経験を積ませていただきました。
この貴重な経験を今後の活動に生かし、バンク事業を、一人でも多くの患者さんを救うためにさらに発展させて行くことこそが、ご支援を頂いた皆様や病気で苦しむ方々へのご期待に応える道であると確信いたします。私たちの決断を新たな飛躍のステップとしてご理解をいただきますようお願いいたします。



