ドナー登録会実施体制の整備と説明員等の処遇改善が必要
昨年7月以降、従来に比べ、格段に多くなった月間ドナー登録者数が1年経った今年7月以降も継続しているようです。おかげで8月末現在のドナー登録者数は25万7104人となり、ドナー登録30万人目標達成も視野に入ってきました。いま必要なことは、骨髄バンク事業の基本業務の一つであるドナーリクルート体制を強化し、ドナー登録者の善意を結集して、30万人登録を1日も早く実現することではないでしょうか。
ドナー登録会開催にあたっての必要な機能は次のとおりです。
(1)登録会の日時、会場、日本赤十字杜・関係自治体等その他主催団体との折衝打ち合わせ
を行い、必要な資材を手配する。
(2)登録会場で人目に触れやすいよう幟やポスターを掲示して会場設営を行う。
(3)ドナー登録の必要性を街頭で訴え、呼び込みを行う。
(4)登録者のドナーとなることへの不安と疑義に対し、十分に説明を行い理解を得る。
(5)申し込み手続を遺漏なく行い、事後の住所変更等の連絡について周知し、登録者の脱漏を
防止する。
(1)については骨髄バンク(財団)の直轄地域(東京および近隣首都圏地区)では財団の広報渉外部の職員が主として担当し、部分的に地区普及広報委員が協力担当しています。直轄地域以外では専ら地区普及広報委員が担当します。この業務はドナーリクルートの基本業務ですが、外部から見ると財団でこの業務を担当する広報渉外部職員が不足しているように思われます。(2)については日赤や自治体の協力関係が大幅に進み、特に東京都内の献血会場での併行登録会の実施回数が増えていることが大きな成果を上げる要因となっています。(3)(4)(5)は財団の直轄地域(東京・千葉・埼玉等)では、財団の広報渉外部の職員が単独で行う場合もありますが、主体は財団の資格認定を受けた説明員(地区普及広報委員を含む)が行います。
全国で説明員と地区普及広報委員は約650名(他に東京地区を主とするライオンズクラブメンバー100名あまり、ただしライオンズクラブメンバーはクラブが主体的に開催する登録会のみに参加するため、一般説明員の人数に算入していません)がこれらの業務を草の根的活動で地道に行っているのです。しかしながら、東京の会の例で恐縮ですが、新会員がなかなか増えず、特に平日稼動できるメンバーの高齢化が進み、平日開催のドナー登録会への参加者確保が困難になってきています。現職勤務者に有給休暇をとって参加することを要請することはできません。
これらの説明員有資格のボランティアは登録会に参加すると、活動費2000円と交通費実費を請求することができますが、資格のないボランティアは支給対象外のため請求できません。登録現場での実働時間は6~7時間に及び、屋外作業の場合も多いのです。地方の場合、資格認定を受けていないボランティアが説明員業務を行い、何の費用弁償を受けない事例もあると伝え聞いています。
もう一つ財団に内勤する登録ボランティアというグループがあります。このボランティアの人たちは、外部からの種々の照会間合せ電話への応対と、財団のパンフレット・バンクニュース・マンスリーレポート等の発送業務やこれらの資料の修正作業を行い、財団の広報と庶務的な仕事を支えています。
登録ボランティアの処遇は実働時間ほぼ7時間ですが、1OOO円の日当と交通費実費支給です。財団の財政破綻以前は、1時間あたり600円の時間計算払いでした。財団として、財団のドナーリクルート体制増強と、説明員(地区普及広報委員を含む)の処遇改善をはかり、より協力を得やすくするため、次の事項について検討して下さい。
①ドナー登録会実施体制強化のため、広報渉外部にドナー登録会担当職員を増強ができないか。あるいは広報渉外部以外の部門所属の職員を必要に応じてドナー登録会業務の応援体制をとれないか。また新入職員の基本教育訓練プログラムの一環として、一定期間ドナー登録会業務に従事させる制度が導入できないか。
②既に実務経験を積んで説明員業務に習熟し、ドナー登録会に参加して業務に従事していても、財団の説明員資格認定がないため、活動費・交通費実費支給対象外となっているボランティアがいないか、地域団体に照会し、あれば資格賦与等必要な措置を講じられないか。
③全国で活動している説明員に対し、活動費の増額または最低賃金を目処に時間計算による日当を支給することはできないか(交通費実費支給を含む)。
④財団内勤の登録ボランティアに対し、日当の増額または最低賃金を目処に時間計算による日当を支給することはできないか(交通費実費支給を含む)。
因みに平成17年開催の地区普及広報委員研修会配布資料.(平成17年地区普及広報委員・説明員実績経過報告)による推計結果からみたボランティア説明員の必要稼動頻度の高い都道府県は、東北地方は秋田・青森・福島、関東地方は東京、甲信越地方は山梨、北陸地方は福井、近畿地方は京都府、九州地方は熊本・佐賀、沖縄県が挙げられ、特に高いのは秋田、青森、福島、東京、福井、京都、沖縄です。これらの地区では地区普及広報委員・説明員が年間に何回も稼動していることが想定され、地方では不便な交通事情を克服してのボランティアの努力により、ドナー登録者増勢が支えられていることを配慮すべきではないでしょうか。ボランティアの報酬は「無償の行為への感謝」にあるといえばそれまでですが、財団ボランティアの活動は財団の業務そのものを支えており、むしろパートタイマーに近いのです。
財団にとってドナーリクルート業務はドナーコーディネートと両輪をなす最も大切な基本的業務であり、是非体制整備が必要と考えます。(新田恭平)
