血清型ドナー登録者に蛍光ビーズ法DNA再検査の促進を!
マスコミで話題となり、全国協議会ニュース10月号でも取り上げられた、検査法の変更により生じた骨髄バンク・ドナー登録者の二重構造問題は早急に解決すべき問題です。
従来、血清によるHLAタイピングで行われていたドナー登録が、平成17年3月以降、蛍光ビーズ法によるDNAタイピングによる登録に変更され、いろいろなメリットが発生してきています。そのメリットは造血幹細胞移植医療全般の進歩のため、早急に還元する必要があるのです。骨髄バンク(財団)HLA委員会の答申を参考にメリットと問題点をまとめてみました。
⑴最近のコーディネート、骨髄提供は平成17年3月以降登録のドナー5万~6万人を主として行われており、このグループに適合ドナーが見つからない場合に、それ以前に登録された血清検査によるドナーグループに検索が及ぶことになります。平成17年度コーディネート上、血清ドナーグループでリタイピング実施ドナー数は5460名です。
⑵この実績から、我が国における骨髄バンクのドナープールの規模が、血清検査による目標値30万人より小さくて済む可能性も考えられます。目標値の再検討も必要ではないでしょうか。
⑶DNA型に基づく患者・ドナーとの照合が実施された結果、患者1人当たりの要確認検査ドナー候補数(中央値)が4人から3人に減少しました。このため、コーディネート期間の短縮と、より適格なHLA適合ドナー候補が選択され、移植成績の向上がもたらされる可能性があります。
⑷さらにHLA-Cタイピングを必須検査とすることにより、移植成績の向上に資することが考えられます。
⑸要確認検査ドナー候補数が減少するため、財団の経済的負担と無関係に患者負担金の軽減が可能となります。現在HLA-Cタイピングはオプション検査として取扱われ、費用が患者負担となっているため、公表の患者負担金の他にこの検査料約2万円が50%強の患者さんに負担されています。HLA-Cタイピングを標準化することにより国庫補助の対象とするか、保険適用により解決すべきものでしょう。
以上のとおり、蛍光ビーズ法によるDNAタイピングによるドナー登録者のプールが拡大することによるメリットはとても大きいのです。取り組みが遅れれば、それだけ機会損失が大きくなります。
現在、患者のDNA検査はSBT法により行われていますが、これを蛍光ビーズ法に変えることにより、99.9%の精度を維持して、検査コストが下がり、患者負担金を軽減することができるのです。
財団は平成17年2月以前に登録された血清型HLAタイピングによるドナー登録者の再検査計画を立て、今年度から着手されることを望みます。そのため国には是非、財政面でバックアップをお願いしたいのです。

