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第155号2005年3月1日号

2007年01月02日

中途半端な登録年齢18歳への引き下げ緩和

 先月号の本誌「東京の会通信」でドナー登録要件の緩和がようやく実現したことを報じました。ドナー登録30万人目標達成に最も影響する年齢制限の緩和は18歳になりましたが、検索対象とするのは20歳に達してからとされており、中途半端な感を免れません。
 ドナー登録の年齢の拡大については、海外の骨髄バンク、特にNMDP(全米骨髄バンク)の登録要件では年齢が18歳から55歳とされていることを受けて、骨髄バンク発足直後から論議されてきたことであり、十数年の期間を経てようやく結論が出されました。
 ドナー登録の年齢制限の上限については、中高年者に対する骨髄採取による健康管理と骨髄の品質面の問題、下限については未成年者の骨髄提供契約能力に関する法律的問題点と成長過程の身体からの骨髄採取の影響に関する懸念があったものと推量されます。今回の緩和は、運用面で提供は20歳からとの留保条件つきで登録のみ18歳とされたのです。これは骨髄提供契約能力という法律的側面の問題点が重要視された結果と思われます。
 18歳から20歳未満の登録者は骨髄提供という観点では20歳に到達した時に提供を行う約束した予約契約者であり、登録者数に加算できないと考えるのが妥当です。従って登録者数に加算されるのは、登録時18歳であるならば2年後の20歳到達時からになるのではないかと思われます。しかしながら、提供時に20歳になっていれば問題はないわけで、20歳前からコーディネートを進行できるのかどうか、その辺も明らかになっていません。
 NMDPが未成年者骨髄提供契約能力の法律上の問題点をどう解決しているのか、不明ですが、この点について骨髄バンク関係者はどのように考えておられるのでしょうか。
 わが国においても問題点を克服して、18歳から20歳未満の登録者が登録後直ぐに検索対象とされ、適合すれば20歳以上の登録者と同じように直ちに提供できるよう、制度変更が早期に実現されることを望みます。 (新田恭平)

心のこもったご寄付ありがとうございました。                                  (2005.1.16~2.15)

山崎治夫さん 2,000円/小山田ヤエ子さん 2,000円/村上洋子さん 2,000円/佐藤祥枝さん 3,000円/設楽艶子さん 5,000円/小林由佳さん 2,000円

お寄せいただいたご寄付のうち、会費未納の会員からは会費(年3,000円)を差し引いて掲載させていただきました。

今年は4月30日に開催                                          ―恒例の春の銀座ドナー登録会―

 毎年度始め、桜の季節に銀座で開催しているドナー登録会を今年も4月30日(土)に銀座4丁目銀座教会東京福音会ホールをお借りして開催することになりました。先月号会報で既報のとおり登録要件が緩和され、年齢制限下限が20歳から18歳に、登録時必要とされていた家族の同意は不要となり、実際にを骨髄提供するときに家族の同意を得ることに変更されました。また骨髄移植についてご理解していただくための説明も短時間で済むように工夫が行われています。多くの方々のご応募をお待ちしております。

主催:(財)骨髄移植推進財団(骨髄バンク)
後援:東京都・中央区
協力:日本基督教団銀座教会東京福音会センター・日赤東京都骨髄データセンター・公的骨髄バンクを支援する東京の会
日時:4月30日(土)10:00~16:00 (休憩時間12:00~13:00)
会場:中央区銀座4-2-1 日本基督教団銀座教会(地下1階東京福音会センター)

「火 火」大ヒット上映中、この感動を今すぐに!

 今年の日本アカデミー賞が決まり「半落ち」が最優秀作品賞に選ばれ、「世界の中心で、愛をさけぶ」も助演女優賞を受賞しました。この2作が昨年の日本映画の中で、最も注目された作品であったことは確かです。そして今年は「火 火」が公開され感動を呼びました。「半落ち」は夫婦、「世界の中心で、愛をさけぶ」は恋人たち、「火 火」は親子とそれぞれの関係は違いますが、ともに白血病で愛する人を亡くした悲しみと、命への讃歌がテーマになっています。「火 火」は信楽焼の陶芸家で骨髄バンク運動に尽力した神山清子さんの不屈の人生を、まるで窯に燃え上がる炎のような激しさで描いています。彼女が寸越穴窯で、独自の信楽自然釉を成功させるまでの執念と、同じ陶芸の道を歩み始めた長男を白血病で亡くすまでの日々を、田中裕子が見事に演じきって見ごたえ充分でした。夫に去られたあと、極貧の暮らしの中で自分が信じる作陶に挑戦し、やっと認められてつかの間の幸せを得ます。しかし、長男賢一さん(窪塚俊介)が病に倒れ、悲惨な現実を目前にして骨髄移植のドナー探しと、バンク設立への新たな闘いが始まるのです。
 賢一さんと私の息子は1990年に発病し、その翌年に公的骨髄バンクが創立されました。生きたいとひたすら願う子と、その命を守ろうと力の限りを尽くす母の姿に、私のつらい思い出が重なります。ドナー登録の理解を深めるためにも、この映画の意義は大きいと思いました。好評のため上映館が広がっています。ぜひ足を運んでみてください。 (大塚)

★東京ドナー登録会予定(3月)★

3月10日(木)渋谷区役所
3月10日(木)五反田駅前
3月17日(木)JR赤羽駅東口
3月25日(金)町田市役所
4月2日(土)町田市総合体育館

編集者雑記

▼2月11日、1年ぶりに吉野家の牛丼が1日だけ復活してニュースになりました。2003年12月にアメリカで狂牛病(正式にはBSE=牛海綿状脳症)に感染した牛が1頭出現したことにより、アメリカからの牛肉の輸入が全面的に禁止となりました。アメリカ産牛肉のばら肉を使用していた吉野家は販売中止に追い込まれたものです。
▼吉野家の牛丼が1年ぶりに復活したのは、輸入禁止になる前に国内の倉庫で眠っていたものをかき集めて1日だけの復活となったものですが、現在ではアメリカ産牛肉の輸入再開に向けて経済・外交問題も含んだ大きな問題に発展しています。しかし、そこにはこのBSEという恐ろしい感染する病気があることを忘れてはなりません。
▼BSEはヒトにも感染して、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)という病気を引き起こして死に至らしめます。このヤコブ病には孤発型や遺伝型、乾燥硬膜(脳膜)移植などによる医原型などもありますが、変異型はBSEとの関係を指摘されているわけです。こうした病気は総称して一般的にはプリオン病とも呼ばれています。
▼BSEの感染は細菌でもウイルスでもなく、プリオンが原因とされています。プリオンは、ヒトでは第20番染色体にあるプリオン遺伝子が作るプリオン蛋白が異常化した「感染性を持つタンパク」という意味です。プリオン遺伝子は、哺乳動物から酵母に至るまでありますが、正常なプリオン蛋白は病気を起こしません。
▼BSEに感染した牛は昨年末で全世界で19万頭、その97%はイギリスで、アイルランド1455頭、フランス945頭、ポルトガル916頭、スペイン502頭、スイス455頭、ドイツ363頭などヨーロッパ諸国が多く、日本は14頭です。イギリスで流行のピークは1993年で、汚染した牛がエサの一部として子牛に与えられ、感染したと考えられています。
▼さて、BSEと関係が指摘されている変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)の患者は、イギリスで154人(生存6人含む)、フランスで9人、イタリア・カナダ・アイルランドで各1人ですが、フランスはイギリスから大量に牛肉を輸入していましたし、カナダとアイルランドの患者はイギリスに住んでいました。
▼ヨーロッパ以外ではアメリカで患者1名の発表がありましたが、イギリスから移住して発症したのですが、その後母親がイギリスに連れ帰ってイギリスで診断されたものです。アジアでは2001年に初めて中国(香港)で患者発生報告がありました。34歳の女性で、10年以上にわたってイギリスの中華料理店で働いていました。
▼ところで、この日本でも変異型クロイツフェルト・ヤコブ病患者が発生したとの報道が先日ありました。感染が疑われた男性(昨年12月に51歳で死亡)について、厚生労働省が2月4日、国内初の変異型ヤコブ病と最終確認しました。この男性は1989年頃にイギリスへの約1カ月の渡航歴があり、厚労省はイギリスで感染した可能性が高いとみています。
▼クロイツフェルト・ヤコブ病は神経難病のひとつで、抑うつ、不安などの精神症状で始まって、進行性痴呆、運動失調等を呈し、発症から1年~2年で全身衰弱・呼吸不全・肺炎などで死亡します。しかも、感染する病気です。感染してから発症するまでには何年もかかりますが、現在のところ、発症前の検査方法もありません。
▼ところで、日本での変異型クロイツフェルト・ヤコブ病患者発生をうけて、献血・骨髄バンク・さい帯血バンクでは、過去にイギリス滞在歴が1カ月以上ある者はドナーとなれないことになりました。これまではBSEが発生しているヨーロッパ10カ国に通算6カ月以上滞在歴のある者でしたが、イギリスにおいては1カ月とされたわけです。
▼大きな飛躍的発展を遂げている現代医学ですが、薬として、あるいは医療用器具としては大きな進歩がある一方で、機械的に製造できないものがたくさんあります。人間の肉体でしか造り出せない組織や臓器が医学の発展を支えています。輸血そして骨髄やさい帯血といった造血幹細胞移植はその典型です。
▼そうであるからこそ、人間に感染する恐い病気には神経を使わざるを得ません。しかも、最近はARS、鳥インフルエンザ、西ナイル熱など、毎年のように恐ろしい感染症が新たに出現しています。それだけ、人や物が地球規模で頻繁に大きく移動する時代になったからだ、ということができるかも知れません。
▼牛丼に始まった話が骨髄バンクにまでおよんでしまいました。まさに「風が吹けば桶屋が儲かる」というお話ですが、問題は人の命にかかわることです。アメリカ産の牛肉輸入再開という問題についても、単に外国からの圧力や牽制という視点を離れて、純粋に生命という根本の問題をおろそかにしない姿勢が重要です。

♪「3月定例会」/4月会報発送「おりおり」 のお知らせ♪

●●●「3月定例会」●●●

3月24日(木)午後6時30分より
会場:全労済東京・レインボー会館3階会議室
 ※新宿駅下車7分(新宿区西新宿7-20-8) 
   青梅街道新宿警察署前しあわせ銀行の角入ってすぐ右側
 ※地下鉄丸の内線「西新宿」駅ができて便利になりました。西新宿駅下車1番出口徒歩2分

4月定例会予定・4月21日(木)午後6時30分より


●●●4月会報発送「おりおり」●●●

4月2日(土)12時30分より 【注意】時間変更
場所:品川運輸・4階会議室 
    JR大井町駅徒歩8分・京浜急行鮫洲駅徒歩2分(品川区東大井2-1-8)
※今お読みになっている「東京の会通信」を1500通折って封入して発送します。簡単な誰にでもで
 きる作業です。いつも人手が足りません。どうかご協力を。

5月「おりおり」予定・5月7日(土)12:30より


どなたでもお気軽にご参加ください

1月末日現在 登録・適合状況

◆◆◆日本骨髄バンクの登録患者と検査済登録ドナー◆◆◆

ドナー(全国) 登録者累計 202,457人/1月登録分 1,948人/1月抹消分 814人/実質登録増 1,134人
ドナー(東京) 登録者累計 30,546人/1月登録分 369人/1月抹消分 100人/実質登録増 269人
患者(全国)  登録者累計 17,656人/1月登録分 212人

◆◆◆患者とドナー登録・適合状況(1月末日現在)◆◆◆

ドナー登録受付者数(累計) 258,279人
ドナー登録抹消者数(累計) 55,822人
有効二次検査済ドナー数 202,075人( 1月1,159人増)
二次検査適合ドナー数(累計) 103,964人
実質登録患者実数(現在) 2,794人( 前月比65人増)
HLA適合患者数(累計) 14,416人( 患者累計数の81.6%)
非血縁移植実施数 6,174例( 1月実施72例)

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「東京の会通信」の「第155号2005年3月1日号」のページです。発行月別に掲載しています。

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