2005年東京都予算要求に関する要望
公的骨髄バンクを支援する東京の会はこのほど、東京都疾病対策課と都議会公明党に対して、来年度予算編成に向けた要望を提出しました。
■骨髄バンク患者負担金の保険適用等による解消について支援のお願い
私たち骨髄バンクを支援するボランティア団体では、骨髄バンクを通じて行う骨髄移植にかかわる患者負担金は国民皆保険の立場から公平性を欠くものとして、東京都議会において意見書を採択いただくなど保険適用の拡大を求めて努力を続けてまいりました。 その結果、患者負担金は当初の約70万円から2005年7月現在27万1000円(但しドナー候補者1名について3座STB検査を行うとオプションとして取扱われ31万3000円となる)まで下がっていますが、この金額は依然として保険適用外患者負担金として請求されており、骨髄バンクを通して行う場合の特有の患者負担金となっています。
医療保険として取り扱いを医療技術料、薬剤に限定せず、骨髄移植に特有なコーディネートにかかる費用を含めて適用されるよう国に求めていきます。都議会、都として支援をお願い致します。
■骨髄バンク・ドナー登録30万人目標達成に向けてのお願い
骨髄バンクドナー登録者がようやく21万人を超えましたが、30万人の目標達成にはまだまだ年月を必要とします。人口比率で割振った30万人目標の東京都のドナー登録目標人員は未達成の状態です。
⑴多摩地区の人口比率は大きくドナー登録者を得る上で大きく期待されるところです。この地区は東京都の直轄地域であり、保健所における献血並行型および集団ドナー登録会の開催を積極的に進め、ボランティア団体への支援をお願いしたい。
⑵23特別区の人口比率は更に大きく、ドナー登録30万人達成の鍵を握っているともいえるところです。区役所職員対象の献血併行登録会は開催されていますが、一般区民対象の会を開催する区は限られています。今後骨髄バンクを支援して各区区民への普及広報及び献血並行型ドナー登録会開催を積極化していくので、都としても支援して欲しい。
■都内公共施設のアスベスト調査の推進と対策実施について
アスベストの健康被害が生産現場において発生したことが明確になり、また周辺の生活者にも及んでいることが判明したことはまことに遺憾なことであります。アスベスト規制開始前の1975年以前に建てられた建築物については、耐火・断熱被覆(吹きつけアスベスト)、コンクリート板類、ボード類として使われている可能性が高く、劣化による飛散が懸念されます。その調査及び防止対策を具体的に進めていただきたい。
⑴公立・私立を問わず、職場環境としての施設、学校、幼稚園、保育園など、公共性の高い施設について組織的な調査を行い、必要なら補助金あるいは融資制度を設けて、職場環境の安全性向上、施設利用者のアスベスト健康被害防止の措置を行って欲しい。
⑵老朽化公共施設の解体撤去時に飛散のリスクが高まるのではないか、中小事業、個人施設について漏れが生じる可能性が大きいので、関係機関の指導を遺漏なく行って欲しい。
■造血幹細胞移植治癒患者さんへの支援の制度化について
骨髄移植その他造血幹細胞移植療法を受けて治癒した患者さんの場合、前処置で多量の抗がん剤投与あるいは全身放射線照射等の処置を受けたために、心臓、腎臓、肝臓など各種内臓の機能が低下し、また慢性GVHDなどの後遺症により、外見上は明らかでないが健常者と比べて体力的に低くなっている事例が多い。このような事例に対し次のような支援が制度化できないでしょうか。
⑴就労不能あるいは極度な軽作業しかできない治癒患者さんへの傷害年金受給の相談窓口を設け、適切な指導を行って欲しい。
⑵就労可能者には就労相談窓口を設け、自立できる仕事の斡旋を行って欲しい。
■電磁波の小児急性白血病への影響についての疫学調査の情報開示について
2001年6月国際がん研究機関が極低周波電磁波を「発がんランク表」の2B(発がんの可能性あり)にリストアップしました。これに次いで2002年8月には科学技術庁が1999年から3カ年計画で実施してきた「送電線と小児白血病の因果関係」調査の中間発表を行いました。
高圧送電線や電気製品から出る極低周波電磁波平均磁界0.4マイクロステラ(ミリガウス)以上が及ぶ白血病の発症率が2倍以上になるというものでした。
手持ち資料の骨髄バンク2004年度集計によれば小児白血病に対し骨髄移植を施した事例は全国で下表のとおりです。(1993年~2004年)
●表 小児白血病に対し行われた骨髄移植例
急性骨髄性白血病・・・・0~9歳115 10~19歳233 小児計348 疾患計1335 小児比率(%)26.1
慢性骨髄性白血病・・・・0~9歳38 10~19歳93 小児計131 疾患計1026 小児比率(%)12.8
急性リンパ性白血病・・・0~9歳247 10~19歳361 小児計608 疾患計1285 小児比率(%)47.3
骨髄異形成症候群・・・・0~9歳41 10~19歳59 小児計100 疾患計570 小児比率(%)17.5
再生不良性貧血・・・・・・0~9歳91 10~19歳104 小児計195 疾患計317 小児比率(%)61.5
悪性リンパ腫・・・・・・・・・0~9歳23 10~19歳41 小児計64 疾患計324 小児比率(%)19.7
小児遺伝性疾患・・・・・・0~9歳(83) 10~19歳( 21) 小児計( 104) 疾患計(111) 小児比率(%)(93.6)
合計・・・・・・・・・・・・・・・0~9歳555 10~19歳891 小児計1446 疾患計4857小児比率(%)29.8
注:合計には小児遺伝性疾患は含まず。
小児リンパ性白血病は全体の約70%が化学療法で治癒するので、この間の小児急性リンパ性白血病の発症数は約2000名強となります。さい帯血バンクからの小児急性リンパ性白血病への移植事例が1997~2003年度で194例あり、化学療法対象者を加えれば約650名となります。但しさい帯血バンクの小児区分は0~15歳のため骨髄バンクの0~19歳より狭い。また期間が2003年までとなっており、6年間の単純平均108名を加算して期間を合わせると760名弱となり、1993年~2004年の12年間で少なくとも全国で2760名プラスアルファの小児急性リンパ性白血病患者の発症があったものと推定されます。全ての疾患の合計は約4200名となります。
電磁波は目に見えず、白血病発症との因果関係が明確でなく、疫学的調査によって初めて理解されるものなので、対策がとられにくく問題が放置される懸念があります。
⑴東京都における実態調査が行われ、結果が出されている場合には開示をお願いしたい。
⑵また、上記結果に対し、何らかの対策が行われた場合にはその内容をお知らせいただきたい。





