財団に労働組合が設立
最近、骨髄移植推進財団の事務局人事で異常な事態が続いています。一部マスコミからはセクハラ報道などもありましたが、確かに多くの職員の間では不満が渦巻いています。その証左として、このほど財団職員が労働組合を結成して、財団執行部と労働環境についての交渉を求めています。職員が団結し、雇用主と交渉することは日本国憲法で認められた基本的人権です。組合は労働環境の改善を求めていますが、私たち骨髄バンクのボランティアとすれば、移植を希望する患者さんへの斡旋業務と、ドナーの安全確保に基づいたコーディネート業務が円滑に推進できるよう、職場環境が改善されるとともに、現場の声が事業に反映されるより良い骨髄バンクとなるよう、組合活動を支援したいと思います。
財団の組合「骨髄移植推進財団ユニオン」の執行委員長に就任した遠藤允氏よりメッセージが届いていますので、組合の「結成宣言」とともに掲載します。
★遠藤允執行委員長からのメッセージ
財団法人骨髄移植推進財団(以下「法人」といいます)の現状を憂慮し、職場環境や労働条件の改善などを目標に、わたくしたち事務局職員は11月26日に「骨髄移植推進財団ユニオン」(以下「組合」といいます。略称:骨髄ユニオン)を結成しました。要求の実現を目指すため、12月2日夕刻、法人の正岡徹理事長に組合結成の通告書、要求書、団体交渉・不当労働行為の禁止申入書など必要文書を手渡しました。また、広く社会に知っていただくため、厚生労働記者会の加盟社を対象に記者発表も済ませました。
●要求項目は4点
なお、結成大会において不肖わたくしが執行委員長に就任することになり、上部団体の政府関係法人労働組合連合(政労連:天下りに一貫して反対)に加盟しました。具体的な要求項目は4点ありますが、その内容は①事務局職員全員の正職員化 ②超過勤務手当の全額支給と職員の給与水準の全面的な改善 ③安心して働ける職場環境の実現 ④公平、公正な人事評価と人員配置ですが、最重点として取り組む項目は「事務局職員全員の正職員化」です。
●異常な大量退職者
財団に「暗雲」のように横たわっている問題点について、あまり把握していない方もいらっしゃると存じますが、一言で表現すれば昨年8月に天下りしてきた常務理事が強権的人事管理によって、事務局員に「絶対服従」を迫り、多くの職員が「団結することなく退職していく」といった方向をとらざるを得ないという事実が存在するのです。退職していった職員数は、前常務理事(大石さん)時代の14人に対し、現常務理事時代は11月末までに26人にも上っています。これは、1年4カ月という同じ期間内の比較です。この数字によっても、最近の事務局の「異常さ」がお分かりいただけるものと存じます。
●労組結成の背景
全国の支援ボランティアの皆さまには、わたくしたち事務局職員が置かれている苦衷をお察しいただきたいと存じます。ともすれば「患者さんをないがしろにするのではないか」と思われがちですが、現状のまま(幹部によるボランティア蔑視も含まれます)推移すればまさにそうなってしまうことを危惧し、そうならないように行動するための労組結成です。
「骨髄移植推進財団ユニオン」結成宣言
血液難病の患者さんとご家族などの関係者をはじめ、多くのボランティア、医療関係者の懸命の努力によって、財団法人骨髄移植推進財団が発足したのは1991年12月でした。日本の骨髄バンクは、厚生労働省の主導により、この財団が主体となって日本赤十字社と地方自治体の協力を得て成り立っています。
骨髄バンクの目的は、非血縁者ドナーからの骨髄移植を希望するすべての患者さんにドナーを紹介し、それによって一人でも多くの患者さんを救命するための手助けをすることです。しかし、ドナーに恵まれず、骨髄移植を受けられない患者さんもいまだに大勢います。
こうした実態を克服し、究極の目標を実現するためには、①ドナー登録者30万人目標の早期達成 ②コーディネート期間の限りない短縮が不可欠となっています。さらに、骨髄バンクを利用せざるを得ないために発生する患者負担金をゼロにするよう、財団の財政基盤を確立することも急務です。
骨髄バンクが今後、さらに飛躍的な発展を遂げなければならない状況にあることは言うまでもありませんが、一方で運営実務に当たる骨髄移植推進財団の事務局職員は、劣悪な職場環境に置かれています。さらに不安定な身分ゆえ、思い切った発言ができない事態にもなっています。恣意的な人事決定がなされることも多く、公平性に欠ける面があります。契約職員で契約更改にならず実質的な解雇によって職場を去っていった職員もいます。
給与体系についても、「国家公務員の給与表に準拠する」ことになっているものの、低水準に抑え込まれていたものが、2004年10月に職員平均で5%切り下げられました。相当数の職員がサービス残業を強いられている実態もあります。
そうした現状から目を逸らさず、解決に努力しなければならない事務局幹部職員には強権的傾向が強く、多くの職員は戦々恐々としながら面従腹背を強いられているのが現実です。そうした雰囲気が、骨髄バンク事業の正常な運営・発展に寄与するはずもなく、問題点が顕在化することを最も危惧するものです。
骨髄バンクの安定的な運営のため、解決すべき課題を多く抱えているにもかかわらず、それらの進展が見られなかったことについて、事務局職員も自ら襟を正す必要があります。ただ、一人ひとりの職員は小さな存在であり、これまでは正面切っての行動になかなか移れませんでした。
全職員が一丸となって骨髄バンクの「究極の目的」を一日でも早く達成するためには、団結して事に当たる組織が必要です。それが労働組合だという結論に、私たちは達しました。
私たち職員の生活と人権を守り、患者さんやドナーの方々への義務を忠実に果たすべく、世界に冠たる理想的な骨髄バンクを実現するため、自由闊達な職場環境の維持・発展を目指します。
2005年11月26日




