財団のコーポレート・ガバナンス導入促進を望む
今いろいろな問題が組織管理の「まずさ」から起きています。県の公共事業発注をめぐる汚職が、次から次へと広がっています。権力のトップの座にいる者がその権力を利用して悪に手を染めることを防ぐ機能が、地方自治体組織にはないのでしょうか。自治体には知事を補佐する助役、収入役があり、議会の監視や監査制度も整っている筈です。
民間企業にも同じような組織管理上の「まずい」事故が続いています。損害保険会社、生命保険会社の保険金不払い、裁判中のライブドア事件、それに関連した村上ファンドの証券取引法違反事件など枚挙に事欠きません。
民間企業の場合には、監査役の権限強化、四半期ごとの財務情報開示、内部監査制度の導入等によるコーポレートガバナンス強化が図られてきたにもかかわらず、ワンマン経営の下ではこれらの制度が無力となる場合があるのです。
数年前から同じ官庁系の管轄組織である国立大学や独立行政法人、補助金を出している私学に対して文部科学省は監査制度の強化、監事の権限強化や情報開示の制度化を推進し、組織統治の強化を図ろうとしています。
私たちが支援する骨髄バンク(骨髄移植推進財団)は厚生労働省が管轄する財団法人です。厚生労働省の管轄化の組織団体でも、老人施設や保育施設など社会福祉法人に対してはかなりきめの細かい指導監督が実施されているようですが、骨髄バンクのような直系の公益法人に対する経営管理の監督指導、たとえば監事による業務監査・内部監査の導入とか、監事の権限強化によるコーポレートガバナンスの強化などの導入は進んでいないようです。
公益法人としての骨髄バンクは、財政的には寄付金、患者負担金、国庫補助金に支えられており、また事業は患者救命に係わるものであり、その手だては善意のドナー登録者に依存しているのです。事業の推進は骨髄バンク単独では行えず、日赤、厚労省、自治体、医療機関等の分担協力の下に成り立っています。
したがって当然のことながら、事業計画、経理財務の透明性が期待され、業務の迅速・効率性が要求されると同時に、労働問題を所轄する厚生労働省直轄公益法人としての人事労務管理に関する遵法性が期待されるのです。
これら期待される事柄が実現されない場合には社会的責任を果たしていないものとして信頼を失うことになりかねません。厚生労働省はじめ関係機関は、骨髄バンクのような直轄公益法人のコーポレートガバナンス強化に必要な措置を講じられるよう要望します。(新田恭平)



