メイン

第188号2007年12月1日号

2008年03月27日

最終同意語の同意撤回は「不可」で結論                                                                                                                           システム改善の課題は残る

 11月号の「ドナーの骨髄提供辞退の自由の保障について」という記事で、新聞報道された最終同意後の同意撤回問題を取り上げましたが、財団は11月9日の常任理事会で、ドナーに対して「最終同意後は撤回できない」とする説明を継続することを決定しました。ただし、患者に対しては「最終同意後もきわめてまれに翻意の申し出があり、万一このようなことが起きた場合は強制できないため提供いただけないことがあります」と説明することになりました。
 この問題は、財団がWMDA(世界骨髄バンク機構)への加盟申請を行ったところ、この説明が「善意のボランティアであるドナーはいつでも提供を辞退できる」とするWMDAの基準と合わないという指摘を受けたため、財団内部で再検討が行われていたものです。
 結果として現状維持とした理由として財団は、

①日本独特の制度として、最終同意において家族の同意も必要としており、「いつでも辞退できる」とした場合、家族の意向に左右されて、骨髄提供時まで不安定な状況が続き、患者およびドナー本人へ大きな影響を与えてしまうこと
②NMDPで行われているダブルワークアップ(最終同意後に2人のドナーが並行してコーディネートを進行すること)を標準化するには、ドナープールの拡大とともに採取施設の許容量を倍増する必要があり、現状では体制が整わないこと
③ドナーはボランティアであっても骨髄提供に同意をすることは、その後何らかの患者に対する責任を生ずる、つまり撤回できないことになるのではないか
④ドナーはコーディネートの早い段階から辞退可能な期間について説明され、最終同意後に同意を撤回しないという条件を受け入れており、「最終同意後は撤回できない」と説明することが強制することにはならない

などを挙げています(詳細は財団ホームページに記載)。
 また、きっかけとなったWMDAの認定に関しては、「財団がドナーに提供を強制しているものではない」と理解され、承認が得られたとのことです。
 先月号の記事では、骨髄提供を強制するのではないという立場を貫くのであれば、「ドナーはいつでも提供を辞退できる」という初期のコンセプトに戻り、さい帯血バンクとの連携等によりダブルワークアップシステムの構築に取り組むべき、との意見を掲載しました。
 今回の財団の判断は、慎重な検討が行われた結果であり、その判断理由についても、一定理解できます。また「ドナーは提供を強制されない」ことが明確になり、万一の場合について患者に説明することになったことも、全身と言えると思います。ただし、10月号の編集者雑記でも指摘があったように、ドナーへの説明が財団発足時からたびたび変更され、その決定過程が不透明であったことや、関係者への周知が不十分であったことは、財団として大いに反省する必要があります。
 また、同意撤回以外にも不測の事態で提供ができないこともあり得えます。ダブルワークアップ等のセイフティネットについては、「現状では体制が整わない」として放置することなく、システム構築に向けて検討を進めるべきだと考えます。
 なお、財団は判断理由の1つとして「骨髄提供に同意したドナーは患者に対して何らかの責任が生じる」としていますが、その責任はあくまで道義的責任であり、損害賠償の事案となりうる法的責任ではないと考えますが、この点についてもきちんと整理しておく必要があるのではないかと思います。 (二見茂男)

美しい調べを堪能 サンクトフローリアンコンサート

 11月15日、新宿の角筈区民ホールで、第16回を迎えたサンクトフローリアンピアノ三重奏によるチャリティコンサート「ピアノ三重奏の夕べ」が開催されました。
 会場の角筈区民ホールは新宿駅からは少し離れており、交通の便がやや悪いのでお客さんの入りが心配でしたが、当日はスタッフを含めて約160名の入場者(無料招待者を含む)があり、大盛況でした。
 サンクトフローリアンピアノ三重奏団の演奏も素晴らしく、聴衆の皆さんは美しい調べを十分堪能いただけたと思います。特に2曲目のドヴォルザークは、静と動が交互に繰り返される印象的な曲で、三人の息のあった表情豊かな演奏が感動的でした。
 演奏の合間には、恒例のミニシンポジウムが行われ、骨髄バンクから移植を受けた元患者の田島さんと、ドナーの菅井さんが、それぞれの思いを語りました。田島さんは元の職場に復帰することができ、今は仕事が忙しくて大変とおっしゃるくらいお元気になられました。ドナーの菅井さんは、提供当時付き添ってくれた婚約者と結婚され、ご主人もドナー登録をされたそうです。患者もドナーもそれぞれ充実した日々を送られていることが伝わり、骨髄バンクの意義を再確認することができました。
 会場では、チャリティで販売したバラもすぐに売り切れ、募金箱にもたくさんご寄付を頂きました。東京の会の財政が苦しい中、大変ありがたいことです。
 コンサート終了後は、近くのイタリアンレストランで、サンクトのメンバーを迎えて恒例の打ち上げを行い、コンサートの余韻と料理とお酒で大いに盛り上がりました。
 昼休みコンサートを含め当日お手伝いいただいたスタッフの皆さん、お疲れさまでした。またチケット販売にご協力いただいた会員の皆さん、そして素晴らしい演奏を聴かせていただいたサンクトの皆さん、本当にありがとうございました。
 なお、来年もサンクトのコンサートを開催することが決定しました。来年も素晴らしいコンサートとなるよう、みんなでがんばりましょう。 (二見茂男)

%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%9D%E3%82%B8%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%81%A7%E7%94%B0%E5%B3%B6%E3%81%95%E3%82%93%EF%BC%88%E4%B8%AD%E5%A4%AE%EF%BC%89%E3%81%A8%E8%8F%85%E4%BA%95%E3%81%95%E3%82%93%EF%BC%88%E5%8F%B3%EF%BC%89.bmp
ミニシンポジウムで田島さん(中央)と菅井さん(右)


コンサート会場にバラの花が満開

 昨年の市ヶ谷ルーテル教会に続き、今年の新宿角筈区民ホールでも会場にたくさんの美しいバラの花が届きました。これは東京の会の会員名川一史さんの知人である中澤忠司さんから届けられたものです。
 中澤忠司さんはバラ栽培農家でバラの新品種で花びらがいっぱいある「マリアナターレ」を作っておられます。名川さんの三男晃太君の病気を聞き、自分でも何か応援をしたいと、マリアナターレを骨髄バンクの行事に送って下さるようになりました。
 昨年はあまりの立派なバラの花にどうしたらいいものか分からず、結局花束は演奏者のメンバーに差し上げ、残りはスタッフでいただいて帰りました。
 今年はなんとかこのお花を有効に活かしたいと考えて、コンサートを聴きに来て下さった方にお頒けすることにしました。
 ミニシンポジウムでのことをお願いすると、コンサート終了後あっという間にバラは全部売り切れてしまいました。皆さん大喜びでお持ち帰りになったようです。スタッフには一本も残りませんでしたが、皆さんの笑顔が私たちへのプレゼントでした。中澤さん本当にありがとうございました。 (中谷光子)


今年もモノリスで昼休みコンサート

 骨髄バンク・チャリティーキャンペーンピアノ三重奏の夕べとセットで新宿モノリスで昼休みコンサートを開催しています。夜のコンサートのプログラムの一部をご披露するのが慣わしです。今年は11月15日(木)の昼休みとなりました。
 当日はモノリス・ビルの消防訓練と重なり、訓練終了後の10時半から会場設営を始めましたが、守衛スタッフの皆さんのきびきびしたお手伝いのお陰で余裕を持って終えることができました。
 昼休みコンサートは今年で13回目となり、モノリス・ビルや周辺のビルに勤めるサラリーマンやOLの皆さんにはすっかりお馴染みとなっているようで、演奏開始時間には、ほぼ席が一杯になりました。
 前日深更に山梨から新宿に着いたサンクト・フローリアン・トリオの皆さんには、さぞお疲れのことだったと思いますが、そんな表情は少しも見せず、今年も爽やかな調べをモノリス1階アトリウムに響かせてくれました。 (新田)

%E4%BB%8A%E5%B9%B4%E3%81%AE%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%81%AE%E6%98%BC%E4%BC%91%E3%81%BF%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%88.bmp
今年のモノリスの昼休みコンサート

2008年03月18日

東京モーターショーでロングラン登録会

 10月26日から11月11日まで、千葉県の幕張メッセで開催された「第40回東京モーターショー2007」の会場において、開催全機関17日間にわたり、献血とドナー登録会が行われました。
 登録会のスタッフは千葉の会を中心とした関東近県の説明員、地区普及広報委員、ボランティア、財団職員等延べ151名で、東京の会からも説明員・地区普及広報委員の資格を持つ6名が参加しました。
 私が参加したのは11月4日でしたが、日曜日で天気も良く、会場は大盛況でした。献血者の方に日赤職員が「ドナー登録もできます」と声をかけてくれるので、ボランティアはとにかく献血を呼びかけます。説明員もピーク時は4人いても足りないくらいでした。当日の登録者は45名でしたが、説明を聞いて「検討する」とした方も24名いたので、何割かは後日登録していただけると思います。
 17日間のドナー登録者はなんと703名で、献血者の約27%が骨髄バンクに登録した計算になります。人出の多いところでの献血併行登録会がいかに効率的か、あらためて思い知らされました。東京の会でも参考にしたいと思います。
 なお、登録会開催期間中の11月10日には、千葉県習志野市で全国協議会の「関東ブロックセミナー」が開催され、東京の会からは3名が参加しました。セミナーでは、集まった千葉・埼玉、東京、神奈川、新潟のボランティアが、全国協議会の「造血幹細胞医療将来像検討会議報告書」の内容を中心に、熱い議論を交わしました。参加者のうち何人かは引き続き翌日のモーターショー登録会最終日にも参加しました。 (二見茂男)

三鷹ひまわりバザー&地域交流祭盛大に開催

 11月18日、三鷹市役所中庭において、三鷹ひまわりバザー&地域交流祭が、三鷹ひまわり後援会主催により、市内の障がい者団体も参加して盛大に取り組まれました。この催しは、社会福祉法人三鷹ひまわり会の資金づくりと市民との地域交流を兼ねて毎年今頃の時期に開催されているものです。今年は交流のステージに、あやちゃんの弟で高一の三瓶健明くんがリーダーのエレキバンドLAZYがステージデビューを飾りました。また、オーストラリアからの高校留学生ダニエル君もボランティアとして参加し、ステージで紹介されました。
 公的骨髄バンクを支援する東京の会は1993年以来この催しに出店し、運営資金づくりと骨髄バンクの啓発普及に取り組んできました。
 今年も5名の会員が参加し、キティちゃんカレンダーの販売と、北海道滝上町からこの日の早朝に到着した「月のチーズ」の販売を行い、30個を完売しました。
 この催しには、ボランティア200名とあわせ1000名以上の市民が参加し大盛況でした。
 来年からは、東京の会として、献血と登録会を一緒にできないかなー、と考えています。 (三瓶和義)

12%E4%B8%89%E9%B7%B9%E3%81%B2%E3%81%BE%E3%82%8F%E3%82%8A.bmp

★東京ドナー登録会予定(12月)★

12月2日(日) 池袋東口(豊島区)
12月11日(火) 日本橋たもと(中央区)

心のこもったご寄付ありがとうございました。                                               (2007.10.16~2007.11.15)

岩大路誠さん 10,000円/金子美智代さん 7,000円/中川里枝子さん 2,000円/新井英一さん 17,000円/和泉屋正敏さん 10,000円/名川一史さん 2,000円/岸康彦・清子さん 20,000円/堀雅子さん 10,000円/菅井あけみさん 3,000円/三戸洋子さん 7,000円/山田ソノさん 1,000円/吉田美保子さん 6,000円/中村嘉宏さん 3,000円/東京マリーンロータリークラブ 18,000円
お寄せいただいたご寄付のうち、会費未納の会員からは会費(年3,000円)を差し引いて掲載させていただきました。

編集者雑記

▼市民がドナー登録をすると、日本赤十字社の骨髄データセンターがドナー情報の管理をします。そして、患者登録があると患者とドナーのHLAを検索して、マッチングパートナーを探すことになります。ドナーの場合、妊娠や海外居住、健康状態の都合で一時的に登録を保留して、検索対象から除外するシステムになっています。
▼しかし、kのシステムに不具合が発生しました。保留を解除する処理がうまく動いていないことがわかったのです。骨髄移植推進財団と日赤は11月9日に記者会見をして、その内容を明らかにしました。また、財団はマンスリーレポートでも明らかにしています。そうした資料からこの事件の内容を見ていきましょう。
▼不具合の事態がわかったのは10月16日としています。登録ドナーの「検索データベース」と「個人情報データベース」との整合性について確認したところ、両データベース間に3688件の差異があることが確認されました。すぐに原因等の検討とプログラムの修正を行い、10月22日以降の適合検索分からは不具合が修正できました。
▼原因がわかったのは10月25日のことです。個人情報データベースでの「保留解除」の情報が、検索データベースに反映されていなかったのです。データ処理量の増加により、情報処理の設定値を超えたことがシステム上の問題でした。日赤は11月2日に厚生労働省に報告し、引き続きこの不具合のよる影響を調査しました。
▼その結果、22名の患者に対して、本来検索結果が報告されるべき適切な時期に報告できていなかったドナーが29名いたことが判明しました。影響のあった22名の患者について調べたところ、13名は既に他のドナーでコーディネートが進行していました。6名は他のドナーに合わせてコーディネートを開始しました。
▼2名は移植予定が決定しています。残る1名はさい帯血移植を実施済でした。つまり、その22名の患者については影響はあったものの、最悪の事態は避けられたというものです。しかし、11月10日の読売新聞は第1面で「正常なら90人に移植も」の見出しで報じました。これはどういう意味でしょうか。
▼マンスリーレポートでは明らかにしていませんが、不具合のあった2006年11月から68名の患者が登録を取り消していることが記者会見の席では説明が行われていたのですが、会見の財団職員の説明不足による記事でした。財団は9日深夜に報道各社に「影響なし」の伝達をしたのですが、読売の記事には反映されていませんでした。
▼68名のうち67名は他にドナー候補が存在し、コーディネートも行われていたか、患者登録期間が短く、影響はほとんどないものと判断できたというのです。残る1人は死亡していましたが、他にも200名も対象ドナーが存在したため、無関係と見られるというのです。とりあえず、今回の不具合による大きな影響はなかったようです。
▼今後の対応と再発防止策としては、両データベースのプログラムに、システム処理の不都合をチェックする機能を追加するとともに、処理状況と結果をオペレーターが確認する仕組みを導入したとしています。つまり、再発防止策としての対応は完了したとしています。でも、それだけでよろしいのでしょうか。
▼確かに、今回発生したような不具合については、もう起こることはないでしょう。しかし、不具合というのは予期しない時に予想もしなかった事態として起こるものです。それに備えるために、外部の専門家や有識者を交えた対策委員会のようなものを設置して、次善策を検討する必要はないのでしょうか。
▼どうやら、そうした方向性のものは日赤では現在のところ考えていないようですが、ことは人の生命にかかわる問題です。骨髄バンクに係わるスタッフ、関係者は常にこの根本的なことを念頭に置いて、すべてのことを考えていただきたいと思うのです。それが、自分たちすたっふに寄せられる期待であり責任であると思います。

♪「12月定例会」/1月会報発送「おりおり」 のお知らせ♪

●●●「12月定例会」●●●

12月22日(土)午後5時30分より
会場:全労済東京・レインボー会館3階会議室
  ※新宿駅下車7分(新宿区西新宿7-20-8)
    青梅街道新宿警察署前きらやか銀行の角入ってする右側
    西新宿駅下車1番出口徒歩2分 
 
1月定例会予定・1月26日(土)午後5時30分より
全労済東京・レインボー会館3階会議室

●●●1月会報発送「おりおり」●●●

1月5日(土)9時30分より
場所:品川運輸・4階会議室 
    JR大井町駅徒歩8分・京浜急行鮫洲駅徒歩2分(品川区東大井2-1-8)
※今お読みになっている「東京の会通信」を1000通折って封入して発送します。簡単な誰にでもで
 きる作業です。いつも人手が足りません。どうかご協力を。

2月「おりおり」予定・2月2日(土)12時30分より


どなたでもお気軽にご参加ください

10月末日現在 登録・適合状況

◆◆◆日本骨髄バンクの登録患者と検査済登録ドナー◆◆◆

ドナー(全国) 登録者累計 294,162人/10月登録分 4,471人/10月抹消分 641人/実質登録増 3,830人
ドナー(東京) 登録者累計 44,472人/10月登録分 386人/10月抹消分 72人/実質登録増 314人
患者(全国)  登録者累計 23,755人/10月登録分 209人

◆◆◆患者とドナー登録・適合状況(10月末日現在)◆◆◆

ドナー登録受付者数(累計)371,282人
ドナー登録抹消者数(累計)77,120人
有効二次検査済ドナー数 293,817人(10月3,843人増)
二次検査適合ドナー数(累計) 161,587人
実質登録患者実数(現在) 2,357人( 国内1,427人)
HLA適合患者数(累計)19,386人( 患者累計数の81.6%)
非血縁移植実施数 8,811例(10月実施96例)

About

「東京の会通信」の「第188号2007年12月1日号」のページです。発行月別に掲載しています。

先月号は第187号2007年11月1日号です。

次月号は第189号2008年1月1日号です。

他にも多くの記事があります。メインページすべての通信も見てください。

バックナンバー

Powered by
Movable Type