骨髄移植推進財団は、3月21日に開催された通常理事会で、骨髄バンクを通じた骨髄移植における患者負担金の改定を決定しました。これは、「平成20年度診療報酬改定」で非血縁者間骨髄移植にかかわる医療保険の適用範囲拡大が盛り込まれ、保険点数9600点(9万6000円)が加算されたことを受けた措置です。
具体的な改定内容は別表の通りですが、今回の改定により、ドナー候補者が4人で骨髄移植に至った場合は、改訂前の24万8500円から5万8000円引き下げられて19万500円となります。また、確認検査を行ったものの骨髄移植に至らなかった患者さんの場合、改訂前の9万9500円から2万4000円引き下げられて、7万5500円となります。
一方今回の改定では、診療報酬改定による財団の収入増(年間1000例移植実施として9600万円)をそのまま患者負担金軽減に当てるのではなく、その一部を、これまで患者負担軽減のための措置として財団の患者負担金軽減積立金から支出していたドナー確認検査手数料割引分(3000円)、財団負担となっていた移植に至らなかった場合のドナー術前健診費用(1件あたり3万円)、およびDLI(ドナーリンパ球輸注)を行う場合のコーディネート費用(1件あたり4万4000円)に充当することも決定されました。これによる財団の負担軽減は、財団の試算によれば年間約2468万円となり、その残額7132万円を原資として患者負担金の軽減額が決められました。
財団の常任理事会では、「医療保険は患者自身が納めた保険料で運営されており、適用拡大分については全額患者負担金の軽減に充当すべき」という意見もあったようです。財団は、今回の措置は患者負担金軽減積立金(平成16年度決算時の剰余金で積立)の枯渇時期を延期するとともに、患者に請求できない事情がある費用に充当するものとしています。この点については議論の分かれるところだと思いますが、患者やボランティアの立場からすれば、財団負担分については経営努力でまかなってほしいところです。
また、今回の診療報酬改定では「コーディネート費用の一部として9600点を加算」となっていますが、そもそも医療保険の加算分の配分について財団内部の決定で行えるものなのでしょうか。もちろん、厚生労働省の承認は得ているものと推測されますが……。
いずれにせよ、私たちボランティア団体としては、医療保険のさらなる適用拡大や国庫補助金の増額により患者負担金の解消を求める運動を強化するとともに、財団に対しても、患者負担金決定の透明性・納得性の確保および財団自身の経営努力による患者負担軽減を求めていきたいと考えます。 (二見茂男)
●患者負担金改定内容
負担金項目改定前改定後差額 改定前 改定後 差額
ドナー確認検査手数料 9,000円 3,000円 ▲6,000円
最終同意面談調整料 58,000円 41,000円 ▲17,000円
骨髄提供調整料 66,000円 49,000円 ▲17,000円
DP座(SBT法オプション検査) 16,800円 7,350円 ▲9,450円
DQ座(SBT法オプション検査) 16,800円 7,350円 ▲9,450円
※SBT法オプション検査料改定は検査会社との取引価格改定によるものです。