骨髄バンク、ドナー登録でHLA-C座検査導入を
6月16日に開催された「第30回厚生科学審議会疾病対策部会造血幹細胞移植委員会」において、骨髄バンクを通じた非血縁者間移植におけるHLA-C座検査の導入について、審議が行われました。
非血縁者間骨髄移植においては、ドナーと患者のHLAの適合が移植成績に大きな影響を与えます。このため、骨髄バンク発足と同時にHLA適合度と移植成績との関連の研究を行う厚生労働科学研究班により解析がされてきました。この解析結果を踏まえて、ドナーと患者にHLA-DRBlのDNA検査、1995年にはHLA-A、HLA-BのDNA検査が導入され、2005年にはHLA-A,B,DRBlのDNA検査が、ドナーの初回登録ならびに確認検査時(リタイピング)と患者に適用されました。
今回の審議会では、HLA-C座が移植成績に与える影響についての解析結果が説明されました。それによると、2006年にHLA-A、B、DRB1、DQB1、DPB1のDNA型が同定された患者・ドナーのペアが6000例に達し、多変量解析により、従来のHLA-A、B、DRB1に加え、 HLA-C座の移植成績に与える影響が明確になりました。
HLA-A、B、DRB1のDNA型適合症例のうち、2割強はHLA-Cが不適合であり、不適合では有意に重症GVHDの頻度が高く、生存率が低下しています。HLA型の組み合わせの解析結果では、HLA-C座においても7つのHLA-C座型の組み合わせの違いがとくに急性GVHDを生じやすいことが明らかになったということです。
こうした解析結果を踏まえ、骨髄移植推進財団のHLA委員会はドナー登録へのHLA-C座検査導入について検討し、当面の対処として確認検査における必須検査として導入すべきと結論づけました。また、HLA-C座検査においても蛍光ビーズ法によるDNA検査が望ましいとしました。
初回登録時のHLA-C座検査を見送る理由は、HLA-Bが一致すれば約70%でHLA-Cも一致しているという解析結果に基づく費用対効果を考慮したものだと思われます。しかし、審議会でも意見が出されて
いたように、初回登録時に実施することで最初からC座適合者を選択することができるようになるので、本来は初回登録時にも検査を導入することが望ましいと言えます。一方、2005年以降のDNA検査済ドナー登録者が血清型検査登録者に優先され、短期間に何度もコーディネートに上がるという現象が生じており、HLA-C座検査を初回登録時に導入した場合、同様の現象が生じる可能性があります。
こうした問題が生じる根本的な原因は、血清型で登録されているドナーが約15万人いるということであり、これを再検査によって早急にC座を含めたDNA型登録に置換していくことが重要です。厚生労働省の研究班も、HLA-C座検査導入の優先順位として①確認検査時②初回登録時としつつ、再検査体制が整えば、血清型同定ドナープールのDNA型再検時を2位とすると推奨しています。しかし、財団は血清型登録ドナーの再検査は日赤の余力があった場合に行うとして、消極的な姿勢に終始しています。
再検査には登録者を呼びだし検査を受けてもらう必要があり、コストと手間がかかりますが、再検査に応じてくれる登録者は提供意志が高いと推測され、30万人のドナープールを実際に提供できるアクティブドナープールに転換していく上でも、大きな意味があります。今回のHLA-C座検査の導入を機に、厚生労働省および財団・日赤が、血清型登録ドナーの再検査実施を早急かつ真摯に検討することを望みます。(二見)


