財団の堀之内前常務理事が東京の会を提訴 名誉毀損で慰謝料1000万円を要求
8月29日、私たち「公的骨髄バンクを支援する東京の会」に東京地方裁判所から訴状が届きました。原告は骨髄移植推進財団を一昨年3月に退職した堀之内敬前常務理事です。被告として訴えたのは、東京の会と東京の会通信編集者、東京の会通信に投稿した遠藤允氏の3者です。訴状によると、東京の会通信に掲載した2つの記事は、原告の名誉を毀損するもので、慰謝料として1000万円を支払うとともに、ホームページに掲載されている該当記事の削除を求めるものです。東京の会としては、これを不当な請求として、今後は法廷の場で闘っていくことになりました。
訴状で指摘した東京の会通信掲載記事の1つは、2006年3月号(第167号)の編集者雑記です。ここで、同年2月16日の衆議院予算委員会での論議について議事録をそのまま引用して、かつてセクハラで処分を受けたものが天下って骨髄バンクにいることを指摘した質疑に関する内容です。これが事実に反して原告の名誉を傷つけたというのです。
もう1つの記事は、2007年1月号(第177号)に掲載された「骨髄移植推進財団の『天下り』一考察」と題する、財団の元職員・遠藤允氏が投稿した記事です。この時原告の堀之内氏はすでに退職していましたが、財団を辞めた遠藤氏が体験し見聞して書いた事項や堀之内氏が環境庁勤務時代に引き起こしたセクハラトラブルの新聞記事等が誹謗中傷にあたるとし、名誉を毀損したと主張しています。
これらの記事には堀之内氏の名前やイニシャル等も一切記載されていませんが、原告の社会的評価をおとしめることだとしています。こんなことが名誉毀損に当たるのであれば、言論の自由はどのようにして保証されるというのでしょうか。
●天下りとボランティアへの挑発
しかしこれは、明らかに東京の会に対する敵対的行為であり、骨髄バンクのボランティア団体とボランティア活動妨害の挑発的行為だといわざるをえません。本来、もしも自らの行動がセクハラと指摘されるのは不当で名誉毀損であり、裁判に訴えるというのなら、衆議院予算委員会の質疑を行った代議士や答弁した厚生労働大臣を名誉毀損で訴え、インターネットに掲載している議事録の削除を求めるべきです。また、セクハラ記事を掲載した全国紙を相手取って名誉毀損で訴えるべきです。それを、ボランティア団体を被告として提訴するのは、まさに弱いものを選んでケンカを売っているとしかいいようがありません。
堀之内氏は、それまで天下りの常務理事がノンキャリアであったのにもかかわらず、初めてキャリアの天下りとして財団に来ました。そのために報酬規則も改定して期待されて迎えられたはずです。それが、在任中には多くの職員が退職していくような事態となり、財団のコーポレートガバナンスが指摘されたりもしました。また、自らの退職も唐突で、そのために1年間の常務理事空白という状況さえ生まれたのです。天下りであるからこそ、世間は厳しい目で見つめていることも事実です。そのような自覚がない者が、骨髄バンクという国民の善意を前提として成立する事業に相応しいわけはありません。
●東京の会は断固闘います
今回の裁判は、多くの国民が注目して多くの批判を浴びている官僚の天下りの実態も争点のひとつとなるでしょう。また、世の中でこれからますます活発になっていかなければならないボランティア活動と言論の自由に対して、元官僚がどのような姿勢で臨むのかを問われる裁判であると同時に、裁判所がこれらの天下りとボランティアそして言論の自由にどのような判断をするのかも注目される裁判となるでしょう。
数々の問題を引き起こし、天下り元官僚のナンセンスな提訴には、断固として東京の会は闘ってまいります。どうぞ、皆さま方のご支援をよろしくお願いします。
声明書
この度、財団法人骨髄移植推進財団(以下財団という)の前常務理事堀之内敬氏が、私たち「公的骨髄バンクを支援する東京の会」に対し、会報「東京の会通信」167号2006年3月1日号編集者雑記の記事および177号2007年1月1日号掲載の遠藤允氏投稿文の虚偽の記事により、同氏を誹謗中傷したとして、編集者雑記執筆者および遠藤允氏と連帯して損害賠償金1千万円の支払い、東京の会ホームページ掲載の167号、177号の下線部分の削除および裁判費用の当会負担とする判決ならびに仮執行を求める訴訟をおこしました。
同氏は2004年8月財団常務理事に就任しましたが、同氏の就任以降、財団職員の退職者が急増、2005年度は退職者数がピークに達し、その中で職員達は自らの権利を守るため、急遽ユニオンを結成しました。
白血病など生命にかかわる難病患者さんの救命の仕事を業とする財団職員が落ち着いて仕事ができず、次々と退職していく事実に、職員の意欲と業務習熟度等の低下に危惧の念を抱いた当東京の会は原因について財団理事長宛質問状を提出し、問題の解決を求めました。
当会会報167号当該記事は、その最中に国会予算委員会で触れられた質疑を議事録から採録したものであり、虚偽の記事ではありません。また、177号の投稿記事は2005年に結成されたユニオンの執行委員長に就任し、その後2006年5月に契約更新を打ち切られた遠藤允氏が、身近にあって体験把握していた前常務理事の勤務状況、行動などを執筆された投稿文を当会として採用掲載したものです。
当会は公的骨髄バンクを支援することを通して、財団の骨髄移植事業が円滑に推進され、一人でも多くの血液難病の患者さんの救命が行われること、それに協力されるドナーさんの骨髄提供が無事故で安全に行われることを会の目的に活動しています。財団にときとして耳障りな質問状を提出し、会報に同様の記事を掲載したりするのもそれ以外の目的はなく、財団の役員職員の皆さんが一体となって高い意識を持って業務を推進されることを期待するためです。
今回の訴えについては容認できるものでなく、真実はなにものにも敗れることはないと確信し、冷静沈着に対応していく所存です。
ご関係各位におかれましては絶大なるご指導ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2008年10月
公的骨髄バンクを支援する東京の会
代表 三瓶和義

