第20回東京の会定期総会を開催
6月20日、新宿区の全労済東京会館において、第20回(2009年度)東京の会定期総会を開催しました。総会では、2008年度活動報告・2008年度業務監査報告・2008年度会計報告・2008年度会計監査報告・2009年度活動方針が審議され、全議案が承認されました。また2009年度の新役員が選任されました。主な議題内容については、別掲資料をご参照ください。
さらに、特別報告として「東京の会裁判関連報告」が行われ、最後に2009年度東京の会活動宣言が読み上げられ、活動への決意を新たにしました。
総会に引き続き、記念医療講演会・患者交流会を開催しました。その内容については別掲記事をご覧ください。なお、総会を含めた参加者は55名でした。その後、会場近くの居酒屋で恒例の懇親会が開催され、交流を深めあいました。
東京の会は来年3月に設立20周年を迎えます。記念すべき節目の年にあたり、さらなる活動の充実を目指していきますので、会員の皆さまの参加、ご協力をよろしくお願いします。

■講演Ⅰ 難治性血液疾患治療の最前線
東京の会通信読者の皆さん、こんにちは。志村大輔(慢性骨髄性白血病3年、グリベック治療中)です。去る6月20日、総会に続いて実施された記念医療講演会の第1部についてレポートします。
第1部では、東條有伸先生(東京大学医科学研究所教授・同付属病院血液腫瘍内科診療科長)に「難治性血液疾患治療の最前線」というタイトルの講演を約1時間行っていただきました。ちなみに東條先生は先日の東大医科研での記念植樹にも参加下さいました。講演については、専門的な内容も多く理解が難しい部分もかなりありましたが、気になるキーワードがあればそれについて各自調べていただければと思います。
まず薬剤による治療についてです。病気の種類ごとに簡単にまとめます。
○慢性骨髄性白血病…病気の原因となる異常たんぱく質を攻撃する分子標的薬を用いた治療法が標準治療となっている。
○悪性リンパ腫…標準治療として細胞表面抗原を攻撃するモノクローナル抗体が併用されている。
○骨髄異形成症候群…DNA脱メチル化剤やサリドマイド誘導体はまもなく本邦でも認可される予定であり、標準的治療の未だ存在しないこの病気の患者さんには大きな福音になるであろう。
次に難治性血液疾患の治療法として確立されている同種移植についてお話がありました。この分野では、①さい帯血、②HLAハプロ一致ドナーの利用、③骨髄非破壊的前処置の開発による選択肢の増加、などにより移植適応が確実に拡大しています。
最後に、近い将来遺伝子治療との組み合わせによって難治性血液疾患に対する新たな治療法が期待されるとのことです。
私自身、もし病気になるのが10年早かったら今よりずっと大変だったであろうとよく思います。医学の進歩はありがたく、それを支える人々に感謝したいと思います。ということは今後ますます治療が進歩することが期待できるわけで、決して悲観することはないと思います。 (志村大輔)

■講演Ⅱ 患者会から患者学
第2部は、田中祐次先生(東京大学医科学研究所特任助教)の講演でした。田中先生は、都立駒込病院で血液内科医師として勤務し、2000年から患者会「ももの木」を主宰、その活動の中で、患者、患者家族、医療者との間に気持のいき違いを感じ、現在は東京大学医科学研究所で、そのいき違いを調整する患者学の設立を目指しておられます。先生が主宰されている「NPO法人血液患者コミュニティももの木」からも数人の患者さんたちが会場に参加されていました。
患者会の一形態であるSelf help groupの役割は、①自分が役立っている(自尊感情の回復)、②安心感がある、③経験者の知識がある、の3点だそうです。その交流や関わり合いは、専門の医師等がいなくとも、医療に役立つものとして、活動を継続して来られました。そこではお茶やお菓子を食べながら自由で話し易い雰囲気があり、2.3人で深く話し合うだけの時間が用意されていて、様々な体験談や情報交換が活発に行われています。まさに主役は患者とその家族でありグループワークの中から生きるパワーが生まれているのでしょう。
先生は「ももの木」の活動の一環として、小学校5,6年生を対象とした「いのちの授業」も2002年から始めていて、道徳教育の一環として貢献されています。また、患者会の世話人連絡協議会を組織し、メーリングリストを作り、設立マニュアルを用い患者会の拡大をバックアップされています。さらにTOTOをはじめとする企業5社で加盟している「癒しのトイレ研究会」と一緒に、病院のトイレを変えていくという活動は、大変興味深い取り組みと思います。
全国に20万人いると言われる医師の中に、このような【患者学】に情熱を持って取り組んでいる医師が存在することに驚き、今後、東京の会とのコラボレーションの可能性をイメージしました。 (竹崎恵子)
■講演後に患者交流会を開催 今後の活動に大きなヒント
田中先生の講演に引き続き、患者会でいつも行われている交流会を体験してみようということで、田中先生に進行役をお願いして、参加者全員による交流会を行いました。患者や患者家族だけでなく、東京の会のボランティアも参加し、いすを並べて大きな輪を作りました。最初に全員が簡単に自己紹介したあと、先生は「隣の人や自分が話してみたい人と自由に話してください」と参加者を促されました。
そのあとは、実際にあちこちで話の輪ができ、それぞれが自由に移動しながら、いろいろな話をしました。田中先生は「自己紹介を聞いていて、ドナーです、という人がとても多いのに驚いた。他の患者会ではドナーはあまり参加していない。東京の会の交流会ならではではないか。ぜひ継続して交流会を開いてほしい」と言われ、今後の協力を約束してくださいました。
東京の会でも以前、患者交流会を開催していましたが、中心になるメンバーが不在で、ここ数年開催できていませんでした。今回の交流会は、私たちボランティアにとっても新鮮で素晴らしい体験でした。これを機会に、東京の会でも、田中先生や患者会のご協力を得て、新たな形で患者交流会を開催していきたいと、強く感じました。 (二見茂男)
