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第207号2009年7月1日号

2009年07月16日

第20回東京の会定期総会を開催

 6月20日、新宿区の全労済東京会館において、第20回(2009年度)東京の会定期総会を開催しました。総会では、2008年度活動報告・2008年度業務監査報告・2008年度会計報告・2008年度会計監査報告・2009年度活動方針が審議され、全議案が承認されました。また2009年度の新役員が選任されました。主な議題内容については、別掲資料をご参照ください。
 さらに、特別報告として「東京の会裁判関連報告」が行われ、最後に2009年度東京の会活動宣言が読み上げられ、活動への決意を新たにしました。
 総会に引き続き、記念医療講演会・患者交流会を開催しました。その内容については別掲記事をご覧ください。なお、総会を含めた参加者は55名でした。その後、会場近くの居酒屋で恒例の懇親会が開催され、交流を深めあいました。
 東京の会は来年3月に設立20周年を迎えます。記念すべき節目の年にあたり、さらなる活動の充実を目指していきますので、会員の皆さまの参加、ご協力をよろしくお願いします。

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■講演Ⅰ 難治性血液疾患治療の最前線

 東京の会通信読者の皆さん、こんにちは。志村大輔(慢性骨髄性白血病3年、グリベック治療中)です。去る6月20日、総会に続いて実施された記念医療講演会の第1部についてレポートします。
 第1部では、東條有伸先生(東京大学医科学研究所教授・同付属病院血液腫瘍内科診療科長)に「難治性血液疾患治療の最前線」というタイトルの講演を約1時間行っていただきました。ちなみに東條先生は先日の東大医科研での記念植樹にも参加下さいました。講演については、専門的な内容も多く理解が難しい部分もかなりありましたが、気になるキーワードがあればそれについて各自調べていただければと思います。
 まず薬剤による治療についてです。病気の種類ごとに簡単にまとめます。
○慢性骨髄性白血病…病気の原因となる異常たんぱく質を攻撃する分子標的薬を用いた治療法が標準治療となっている。
○悪性リンパ腫…標準治療として細胞表面抗原を攻撃するモノクローナル抗体が併用されている。
○骨髄異形成症候群…DNA脱メチル化剤やサリドマイド誘導体はまもなく本邦でも認可される予定であり、標準的治療の未だ存在しないこの病気の患者さんには大きな福音になるであろう。
 次に難治性血液疾患の治療法として確立されている同種移植についてお話がありました。この分野では、①さい帯血、②HLAハプロ一致ドナーの利用、③骨髄非破壊的前処置の開発による選択肢の増加、などにより移植適応が確実に拡大しています。
 最後に、近い将来遺伝子治療との組み合わせによって難治性血液疾患に対する新たな治療法が期待されるとのことです。
 私自身、もし病気になるのが10年早かったら今よりずっと大変だったであろうとよく思います。医学の進歩はありがたく、それを支える人々に感謝したいと思います。ということは今後ますます治療が進歩することが期待できるわけで、決して悲観することはないと思います。 (志村大輔)
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■講演Ⅱ 患者会から患者学
 第2部は、田中祐次先生(東京大学医科学研究所特任助教)の講演でした。田中先生は、都立駒込病院で血液内科医師として勤務し、2000年から患者会「ももの木」を主宰、その活動の中で、患者、患者家族、医療者との間に気持のいき違いを感じ、現在は東京大学医科学研究所で、そのいき違いを調整する患者学の設立を目指しておられます。先生が主宰されている「NPO法人血液患者コミュニティももの木」からも数人の患者さんたちが会場に参加されていました。
 患者会の一形態であるSelf help groupの役割は、①自分が役立っている(自尊感情の回復)、②安心感がある、③経験者の知識がある、の3点だそうです。その交流や関わり合いは、専門の医師等がいなくとも、医療に役立つものとして、活動を継続して来られました。そこではお茶やお菓子を食べながら自由で話し易い雰囲気があり、2.3人で深く話し合うだけの時間が用意されていて、様々な体験談や情報交換が活発に行われています。まさに主役は患者とその家族でありグループワークの中から生きるパワーが生まれているのでしょう。
 先生は「ももの木」の活動の一環として、小学校5,6年生を対象とした「いのちの授業」も2002年から始めていて、道徳教育の一環として貢献されています。また、患者会の世話人連絡協議会を組織し、メーリングリストを作り、設立マニュアルを用い患者会の拡大をバックアップされています。さらにTOTOをはじめとする企業5社で加盟している「癒しのトイレ研究会」と一緒に、病院のトイレを変えていくという活動は、大変興味深い取り組みと思います。
 全国に20万人いると言われる医師の中に、このような【患者学】に情熱を持って取り組んでいる医師が存在することに驚き、今後、東京の会とのコラボレーションの可能性をイメージしました。 (竹崎恵子)


■講演後に患者交流会を開催 今後の活動に大きなヒント
 田中先生の講演に引き続き、患者会でいつも行われている交流会を体験してみようということで、田中先生に進行役をお願いして、参加者全員による交流会を行いました。患者や患者家族だけでなく、東京の会のボランティアも参加し、いすを並べて大きな輪を作りました。最初に全員が簡単に自己紹介したあと、先生は「隣の人や自分が話してみたい人と自由に話してください」と参加者を促されました。
 そのあとは、実際にあちこちで話の輪ができ、それぞれが自由に移動しながら、いろいろな話をしました。田中先生は「自己紹介を聞いていて、ドナーです、という人がとても多いのに驚いた。他の患者会ではドナーはあまり参加していない。東京の会の交流会ならではではないか。ぜひ継続して交流会を開いてほしい」と言われ、今後の協力を約束してくださいました。
 東京の会でも以前、患者交流会を開催していましたが、中心になるメンバーが不在で、ここ数年開催できていませんでした。今回の交流会は、私たちボランティアにとっても新鮮で素晴らしい体験でした。これを機会に、東京の会でも、田中先生や患者会のご協力を得て、新たな形で患者交流会を開催していきたいと、強く感じました。 (二見茂男)

5月末日現在 登録・適合状況

◆◆◆日本骨髄バンクの登録患者と検査済登録ドナー◆◆◆

ドナー(全国) 登録者累計 338,569人/5月登録分 2,632人/5月抹消分 682人/実質登録増 1,950人
ドナー(東京) 登録者累計  49,731人/5月登録分 252人/5月抹消分 94人/実質登録増 158人
患者(全国)  登録者累計 27,679人/5月登録分 206人


◆◆◆患者とドナー登録・適合状況(5月末日現在)◆◆◆

ドナー登録受付者数(累計) 430,117人
ドナー登録抹消者数(累計) 91,548人
有効二次検査済ドナー数 338,247人( 5月1,961人増)
二次検査適合ドナー数(累計) 197,974人
実質登録患者実数(現在) 2,592人( 国内1,351人)
HLA適合患者数(累計) 22,526人( 患者累計数の81.4%)
非血縁移植実施数 10,533例( 5月実施98例)

2009年07月15日

2008年度 東京の会 活動報告
2008.4.1〜2009.3.31

①総会・定例会・おりおり(会報発送作業)
(1)定期総会 6/14開催(於:全労済東京会館会議室)
(2)定例会  毎月第3土曜日12回開催/年(於:全労済東京会館会議室)
(3)おりおり(東京の会会報発送作業)毎月第1土曜日12回開催/年(於:品川運輸会議室)

②ドナー登録会
(1)集団登録会
 ドナー登録会08.4.26 銀座教会福音会センター(18名)
(2)財団集団登録会・献血並行登録会への参加協力
 武蔵大学・東京ドーム・池袋東口・練馬区役所・日本臨床獣医学フォーラム・創価大学・東京都庁

③患者支援活動
(1)血液難病患者・家族交流会
 今年度は開催いたしませんでした。
(2)医療その他セミナー
 6月14(土)日第19回総会記念講演会
「患者の声を医療政策に反映させるには」海辺洋子氏(癌と共に生きる会)

④普及広報活動
(1)会報「東京の会通信」発行
 毎月1日発行第1土曜日発信・12回発行。
 会報と共に全国協議会会報、骨髄バンクニュース、さい帯血バンクニュース発送
(2)東京の会合宿研修会開催(11月15.16日)
 東京の会裁判の本質および今後の見通しについて研修を行いました。講師宮田信男弁護士(みずがき綜合法律事務所)
(3)セミナー・イベント開催参加
08.4.20  バイシクルライド2008に参加 誘導ボランティアと骨髄バンクPR
08.5.3.4 hide追悼ライブで骨髄バンクPRと募金活動
08.5.10  アクロスモール八王子みなみ野で「いのちの輝き展」
08.9.30  品川宿場祭り参加 東京マリンロータリークラブに協力してキャンペーン活動・バザー出店
08.11.13 第14回サンクト・フローリアン昼休みコンサート新宿モノリス
08.11.13 第17回サンクト・フローリアン・コンサート ルーテル市ヶ谷ホール
08.11.18 三鷹ひまわりバザー参加
08.11 松川アップルズ及び全国協議会のご協力で、市田柿(生産者竹村美佐子さん)のチャリティー通信販売を実施
08.12.3  骨髄移植1万例・さい帯血移植5千例達成銀座日比谷公園感謝記念パレード参加
09.1.2・3 箱根駅伝沿道応援参加(品川・箱根宮下)、募金活動(箱根宮下)
09.2.11  骨髄移植1万例・さい帯血移植5千例ありがとうキャンペーン(新宿東口献血ルーム)
09.3.19  骨髄移植1万例・さい帯血移植5千例達成記念植樹(聖路加病院小児外来棟前)

⑤関係機関への要請・請願・陳情活動
(1)08.9 東京都献血移植対策部門関係者と来年度都予算への要望事項ならびに懇談
(2)08.9 都議会公明党に来年度都予算への要望事項ならびに懇談

♪「7月定例会」/8月会報発送「おりおり」 のお知らせ♪

「7月定例会」
7月18日(土)午後5時30分より
会場:全労済東京・レインボー会館3階会議室
※新宿駅下車7分(新宿区西新宿7-20-8)
※西新宿駅下車1番出口徒歩2分 青梅街道新宿警察署きらやか銀行の角入ってすぐ右側

※8月定例会予定・8月15日(土)午後5時30分より
定例会は 毎月第3土曜日午後5時30分 から開催しています。

「8月おりおり」
8月1日(土)12時30分より
場所:品川運輸・4階会議室
JR大井町駅徒歩8分・京浜急行鮫洲駅徒歩2分
(品川区東大井2-1-8)
※今お読みになっている「東京の会通信」を1000部折って封入して発送します。簡単な誰にでもできる作業で
す。いつも人手が足りません。どうかご協力を。
※9月「おりおり」予定・9月5日(土)12時30分より


新しい方大歓迎です。お気軽においで下さい。お待ちしています。

2008年度 決算報告

【2008年度 決算報告(一般会計)】

〔収支明細〕
収入の部支出の部

会費465,000物品仕入費303,152
寄付1,199,036収益事業費450,847
助成金550,630業務諸経費104,645
物品売上432,687通信発送費910,818
事業収入494,650交通費175,280
受取利息5,014普及広報費1,477,196
雑収入56,420賃借料360,000
  全国協議会会費120,000
  雑費16,646

  小計3,918,584
  当期剰余金-715,147

合計3,203,437合計3,203,437

<収支差額>
収 入-支 出=-715,147


〔資産増減明細〕
資産内容繰越資産期末前年度繰越期首

現金64,24069,749
普通預金643,354627,285
郵便貯金1,983,2352,471,585
郵便振替口座99,13221,000
貯蔵品701,2801,058,769
前受会費0-42,000

差引3,491,2414,206,388
当期剰余金--715,147

合計3,491,2413,491,241

<資産増減>
期末-期首=-715,147


【2008年度 決算報告(裁判特別会計)】

〔収支明細〕
収入の部支出の部

裁判支援寄付口座820,000裁判関係費(着手金)300,000

  小計300,000
  当期剰余金520,000

合計820,000合計820,000

<収支差額>
収 入-支 出=520,000


〔資産増減明細〕
資産内容繰越資産期末前年度繰越期首

裁判支援寄付口座520,0000

当期剰余金0520,000

合計520,000520,000

<資産増減>
期末-期首=520,000


2009年度活動方針

(1)骨髄バンクの普及啓発活動
 骨髄バンクへのドナー登録や骨髄提供に対する市民や社会の理解と協力を深めるため、イベントの開催や地域・職域における普及啓発活動、会報やインターネットを活用した情報発信を行います。特に学生や若年層への普及啓発活動や、企業に対するドナー休暇制度導入の働きかけを強化します。
(2)ドナー登録推進
 ドナー登録は30万人に到達し、一人以上のドナー適合率は90%を超えていますが、実際に移植に至った患者は約6割にとどまっています。移植率を考えればさらなるドナープールの拡大が必要です。骨髄移植推進財団・日本赤十字社・各自治体などの関係機関や、近隣ボランティア団体、ライオンズクラブ等の地域団体と連携し、献血併行登録会・集団登録会の企画やボランティアの派遣を行います。また、日赤献血ルームにおけるドナー登録を増やすため、血液センターおよび献血ルームへ働きかけや協力を行います。
(3)患者・患者家族への情報提供と支援
 発病期、治療中、治療後それぞれの段階の患者・患者家族の皆さんが難病に立ち向かい、闘病できるよう、セミナー開催等による情報提供や支援活動を行います。また患者会等との連携をはかり、共同の取り組みを行います。
(4)患者負担金の軽減
 骨髄バンクを通じた骨髄移植において発生している患者負担金の軽減に向けて、全国骨髄バンク推進連絡協議会や各地ボランティア団体と連携し、世論の喚起や、骨髄移植推進財団・厚生労働省をはじめとする関係機関への働きかけを行います。
(5)より機能する骨髄バンクを目指して
 実際に骨髄提供ができるアクティブドナーの確保、ドナーリクルート体制、非血縁者間末梢血幹細胞移植の導入、骨髄バンクとさい帯血バンクの一体化など、造血幹細胞移植システムを取り巻く課題および将来の方向性について、積極的な意見反映を行います。
(6)会報の継続発行と社会への発信
 東京の会の会報「東京の会通信」は昨年12月に記念すべき第200号に到達しました。毎月欠かさず発行されてきた「東京の会通信」の意義を再確認し、これからも、会の活動報告、患者やドナーのメッセージ、骨髄バンクや造血幹細胞移植医療に関する様々な課題に対する提言など、さらに紙面の充実を図り、会員および広く社会に発信します。
(7)活動の活性化と財政基盤の強化
 活動メンバーの減少や固定化に歯止めをかけるため、これまで活動に参加していただいたボランティアへの働きかけや新たな仲間を増やす取り組みを進めるとともに、ボランティアが参加しやすくやりがいがもてる活動を展開します。また、厳しい財政事情を踏まえ、新規会員募集や寄付・募金を増やす取り組みを進めます。
(8)設立20周年に向けた取組み
 東京の会は来年3月に設立20周年を迎えます。これまでの活動の成果を振り返り、新たな活動の展開を図るため、20周年記念事業の企画・準備を進めます。

2009年度東京の会役員

《代  表》  三瓶和義
     代理 新田恭平
     代理 若木換
《事務局長》  大橋一三
《会  計》  大塚礼子
        森永富美子
《会計監査》  大塚和博
        二見茂男
《業務監査》  及川耕造
        中谷哲郎
《顧  問》  野村正満

2009年度・東京の会宣言

 私たち「公的骨髄バンクを支援する東京の会」は、来年2010年3月に設立20周年を迎えます。2009年度の活動を開始するにあたり、設立の原点を忘れず、また現在の状況を踏まえて、さらなる活動の充実を目指し、以下のとおり宣言します。

1.ドナー登録は30万人に到達しましたが、実際に移植に至った患者は約6割にとどまっています。造血幹細胞移植療法を希望するすべての患者さんが移植を受けられるよう、骨髄バンクドナープールのさらなる拡大とともに、ドナーが提供しやすい社会環境整備や制度確立を目指して活動します。
2.骨髄バンクを利用して骨髄移植を行う患者さんだけが負担している患者負担金の解消に向けて、保険適用の拡大と骨髄移植推進財団による軽減措置を求める活動を行います。
3.血液難病と闘う患者さん、患者家族の皆さんに医療、闘病ノウハウなどの情報を提供し、精神的なバックアップ活動を行います。
4.イベント等による普及啓発活動や会報・インターネットを活用した情報発信を通じてドナー登録や骨髄移植に対する理解を広げる活動を行います。
5.一人でも多くの患者さんを救済するために、より機能する骨髄バンクを求めて改善すべき点を関係機関・行政へ提言・申し入れ、世論喚起に向けた広報活動を積極的に進めます。
6.活動は、会員各自の自発的参加と責任分担の上に行い、一人でも多くのボランティアの皆様の参加を得て、活動の火をともし続けます。

心のこもったご寄付ありがとうございました。(2009.5.16〜6.15)

石山ナナさん 3,000円/中谷哲郎・光子さん 11,000円/井上久留巳さん 1,000円/二見茂男さん 2,000円/大塚礼子さん 3,000円/松下倫子さん 3,000円/三瓶和義さん 7,000円/山田実さん 2,000円/島田英子さん 2,000円/若木換さん 39,000円/志村大輔・励子さん 12,000円/柴谷みち子さん 2,000円/鈴木修司さん 7,000円/中嶋一雄さん 15,000円
お寄せいただいたご寄付のうち、会費未納の会員からは会費(年3,000円)を差し引いて掲載させていただきました。

財団全面敗訴! 報告書は真実と認定!
東京の会裁判には大きな意義、財団が控訴!

 骨髄移植推進財団から懲戒処分で解雇された元総務部長、山崎裕一氏が財団に対して解雇は無効だとして、労働契約上の地位確認を求めていた裁判の判決言い渡しが東京地方裁判所で6月12日にあり、山崎氏の主張がほぼ全面的に認められました。この判決は、現在東京の会が財団の元常務理事から訴えられている裁判にも、大きな影響があることは間違いありません。

●判決の内容
「労働契約上の地位確認」とは、判決の時点でもまだ山崎氏は財団の職員であることを認めた判決です。これにより、財団は解雇した時点からの給与や賞与を山崎氏に支払わなくてはならないというものです。さらに、慰謝料として50万円の支払いも判決では認めました。

●懲戒解雇処分の理由
 4年前の2005年8月、財団の総務部長だった山崎氏は正岡徹理事長にあてて報告書を提出しました。当時、財団内は職員の離職率が高く、職員の中で多くを占める契約職員は期間ごとに契約した上で、毎年自動的に雇用を更新されてきましたが、当時在任した常務理事により更新せずに退職を強いられたり、契約の更新をしないことを示唆されたり、そのような職場環境に嫌気がさし、自分から辞めていく職員も多くいました。また、精神的に追い詰められて、出勤できない職員もいました。さらに、これらのパワハラ的言動の他に、常務理事による一部の女子職員に対するセクハラとも受け取れる言動があり、山崎報告書ではそれらの事実を訴え、職場の状況改善を求めるものでした。これに対して財団は、報告書は虚偽の事実を書いた誹謗中傷文書だとして、逆に山崎氏をまもなく降格処分し、翌2006年9月に解雇したものです。

●山崎報告書はほぼ真実
 判決では、この山崎報告書の内容は「細部には事実と合致しない点が見受けられるが、根幹的、基本的部分では、真実を指摘している。とし、本報告書は個人に対する誹謗中傷文書ではなく、懲戒解雇処分に該当する事実とは認められない。解雇処分は権利の濫用」だとしています。また、山崎氏がこの報告書を提出したことは「総務部長の職責」であり、もしも放置していたら「問責されることもあり得る」、さらに「パワハラ、セクハラ問題について、事実無根であるかのような対応をし、不当な降格人事を行い、さらには無効な本件解雇に至ったことは、不法行為責任を負い、山崎氏に対する精神的苦痛を償うべき」とまで指摘しています。

●財団は控訴
 山崎裁判で被告の財団は全面的な敗訴となりましたが、6月15日付の財団広報誌「MONTHLY JMDP」ではこの判決に対し「当方の主張が認められておらず、きわめて残念なものとなっております。今後、判決をよく検討し、控訴の措置を取っていきたいと考えています」としていましたが、6月19日に控訴しました。しかしながら、財団の控訴は無謀のように思えてなりません。これまでの口頭弁論の経緯を振り返って、新たな証拠をもって今回の東京地方裁判所の判断を覆すことができるとは、とうてい思えません。控訴は決着を引き延ばして無駄な時間を浪費すると同時に、多額の訴訟費用をこれまで以上に支出することになります。

●問われる財団の責任
 また、山崎氏が解雇され、財団で働くことができなかった期間の給与の支払いを財団が行わなければならない判決もどのように考えるのかも問題です。これらのお金は、財団のどのような財源から支出されるのでしょうか。財団の収入源は、一般からの寄付金、患者負担金、税金(国庫補助金)の3つです。これら3つの財源からの支出は、いずれも判決による支出にはなじまないものであり、法的にも違法性が問われるものと思われます。もし、財団執行部がこうした点を考慮せずに支出しようと考えているのなら、今後は、懲戒解雇処分の意思決定を行ったものに対する責任問題も当然指摘されることになるでしょう。

●山崎判決と東京の会裁判への影響
 ところで、山崎裁判のこの判決は、元常務理事が名誉毀損で東京の会を訴えている東京の会裁判にも、大きな影響があります。元常務理事は山崎裁判では当事者ではありませんが、実は影の大きな主人公だからです。山崎裁判では「元常務理事のセクハラ・パワハラの疑惑があったかどうか」が大きな争点でした。東京の会裁判でも、この元常務理事はセクハラ・パワハラなどなかったことを前提に主張しているからです。山崎裁判の今回の判決は、今後の東京の会裁判にどのような影響を及ぼすのか、注目したいと思います

勝訴した山崎さんからのメッセージ
みなさまのご支援に、心から感謝します 山崎裕一

 2009年6月12日、東京都千代田区霞が関・東京地方裁判所527号法廷には、大勢の東京の会の皆さん、そして私の友人、知人が詰めかけてくれました。問題が表面化してから3年間、皆さんのご支援がどれほどの励ましになったか計り知れません。みんなの顔を見て、必ず勝訴できると心に言い聞かせ、私は、原告席に弁護士とともに着席しました。
 一方、被告席には、弁護士一人が着席しただけで、財団の平井常務理事、木村事務局長は、いつもの口頭弁論と同様、傍聴席に着席していました。2年間にわたる今回の裁判では、被告代表の正岡徹理事長は一度も出廷したことはありません。私には、財団は、被告として、当事者としての自覚は、全くないのではないか? そう思えてなりませんでした。
 同日の午後1時30分、白石哲裁判長が厳かに、「これより判決を言い渡します。主文、1原告が被告に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する」と言いました。その瞬間、私の隣の弁護士が、右手の親指を小さく立てて勝訴だとサインがありました。その瞬間から後は、何かボーとして、現実のことだとは思えない不思議な思いに包まれていました。裁判長が主文6項目の言い渡しを終えた後、判決で認定した事実と理由の要約を述べられ、私の主張が、ほぼ全面的に認められたことがわかりました。
 思えば2004年8月、元厚生労働省キャリア官僚のH氏が、財団常務理事に天下ってきた時から、H常務理事による異常な言動により、人の命を救うという大切な骨髄バンクの事業主体である、骨髄移植推進財団事務局職員が人格や自尊心を傷つけられ、大きな被害と苦痛を与えられた日々が始まったのでした。
 本来、財団常務理事は、理事でただ一人の常勤理事で理事長代理という経営責任者です。当時、H常務理事は事務局長も兼務していました。職場においては、当然なことですが善良な管理者として、職員の就労環境の改善向上について責任を負っていたものです。一般法人・会社でいうところの、善良な管理者としての責任義務ともいえるものです。しかし、その当人が職場環境を悪くしていた張本人だったことから、ややこしい問題となってしまったのです。
 今回、裁判所という司法機関で、事実と証拠に基づいた公正な審理により、私の報告書は真実と認定されました。また、この報告内容についてきちんと調査もしないで、私を降格左遷し、さらには無効な解雇処分までしたことは、民法における不法行為責任を財団は負うとされ、慰謝料の請求も認められました。今は、ようやく真実が明らかにされ、私の汚名も晴らすことできたと思っています。本当に、4年ぶりに心が晴れた思いでいます。
 財団は、判決から一週間後の6月19日、この判決を不服として控訴しました。判決のどの部分が不服なのか今の時点ではわかりませんが私の立場は、これまで裁判で主張してきたことを高等裁判所においても、一貫して主張してまいります。真実は隠ぺいしたり、覆すことはできません。財団は、この東京地裁判決を真摯に受け止め、一刻も早く問題解決を図るよう心から願っています。
 財団幹部・経営陣は、国民の善意と信頼で成り立っている公的骨髄バンク事業の根本精神を今一度立ち返ってほしいのです。骨髄バンクに、事実を隠蔽したり公平でない人事や事業運営は論外です。何よりも患者さん、ドナー登録者の方々、医療関係者、そして世論に対する裏切り行為です。さらに、支援ボランティア・市民の方々と暖かな連帯関係を再構築されますよう願ってやみません。私も微力ではありますが、一日も早く職場復帰して、骨髄バンク事業の発展のために尽くして参りたいと気持ちを新たにしております。
 皆さまのこれまでのご理解とご支援に、心からの感謝を申し上げますとともに、今後とも、引き続きのご支援をお願い申し上げます。

東京の会裁判第6回口頭弁論の結果

 6月10日(水)午前10時より東京地方裁判所第611号法廷で東京の会裁判第6回口頭弁論が開催されました。
 本件裁判は前骨髄移植推進財団常務理事堀之内敬氏が東京の会通信167号(2006.3.1発行)編集者雑記の記事および177号(2007.1.1発行)掲載の元同財団職員で同ユニオン委員長であった遠藤允氏の投稿文の事実でない記事により、誹謗中傷されたとして、東京の会および編集者雑記の執筆者ならびに投稿文筆者遠藤允氏を相手取り、WEBサイトの当該記事の削除と損害賠償を求める訴訟を起こしたことで争われています。
 今回口頭弁論では東京の会が骨髄バンクの発足前からバンクの設立に努力し、1991年12月のバンク発足後もドナー登録者の充実と安全確立、患者負担金の低減等患者支援活動を行い、骨髄バンクの充実発展のために尽くしてきたことを証明する証拠を書面で弁論しました。
 原告側からも第3準備書面が提出され、東京の会通信167号、177号の記事が事実でないと縷々主張をしています。
 まだまだ、時間がかかりそうです。次回口頭弁論は7月6日(月)午前11時、東京地裁721号法廷でおこなわれます。

◆編集者雑記◆

▼5月30日、宮崎県都城市にて、全国骨髄バンク推進連絡協議会の主催で「2009全国骨髄バンクボランティアの集い」が開催されました。今大会のテーマは【結・ゆい】。主管団体であるみやざき骨髄バンク推進連絡会議の皆さんが、全国のボランティアをはじめ、関係者を宮崎の太陽のように暖かく迎えてくれました。
▼このボランティア全国大会は、北は北海道から南は沖縄まで患者救済を活動の原点とする全国のボランティア仲間が一同に会して、1年間の活動を振り返り、思いを新たにする場です。同時に、開催地域における骨髄バンクの普及啓発も目的としており、毎年開催地の団体が工夫を凝らした企画で大会を盛り上げてきました。
▼大会には、事業主体である骨髄移植推進財団(以下、財団)はもちろんのこと、厚生労働省、日赤、開催地の自治体、さい帯血バンクの代表が来賓として出席し、挨拶をしています。ところが、今大会では信じられない事態が起こりました。大会前日に財団から「出席予定の正岡理事長が体調を崩したため財団は大会を欠席する」と、全国協議会に連絡が入ったのです。
▼正岡理事長の欠席はやむを得ないとしても、こうした場合は代理を立てて挨拶するのが普通でしょう。その努力がどこまでなされたのかわかりませんが、平井常務理事の判断で「財団は欠席、職員も派遣しない」と決定したそうです。これまでの財団と全国のボランティアとの関係を考えれば、あり得ない話です。これを聞いた全国協議会関係者はあ然としたそうです。
▼これは財団の職員にとっても驚きだったようです。正岡理事長と同行する予定だった財団の小瀧移植調整部長は、独自の判断で宮崎入りし、正岡理事長に電話で了解を得た上で挨拶原稿を代読し、「財団欠席・挨拶なし」という前代未聞の事態はなんとか回避されました。財団は小瀧部長のおかげで、厚労省や日赤の前で恥をかかずに済んだというわけです。
▼公的骨髄バンクの設立を望む声が全国に広まり、患者さん、そのご家族をはじめ医師や多くのボランティアが国を動かし、国民と行政が一体となって立ち上げたのが今の財団です。それから17年半が経ちましたが、その間も、ボランティア団体と財団は、議論を重ねながら、患者救済を目指して共に活動してきました。
▼大会に集まったボランティアには、患者さんをはじめその家族、善意のドナー、無念の遺族もいます。患者救済を胸に、それぞれの想いをもって、全国各地で登録会や普及啓発などのボランティア活動を行っているのです。相手(他者)の立場を考えた無償の行為で成り立っているのが骨髄バンクです。たかが挨拶ではありますが、そのことに対する想像力や敬意を、財団の運営を担う方には持っていただきたいと思います。
▼ここ1年の財団とボランティアの関係は危機的状況といえます。「ありがとうキャンペーン」「公開フォーラム」における平井常務理事の非協力的態度、全国協議会推薦の財団理事候補者の名簿からの削除、そして今回の件を見ると、財団執行部のなかではボランティアは「使い捨て」のような存在になってしまったかのようです。
▼それとも、財団が自らだけで運営をおこない、現状とは比べものにならないくらいの患者救済が可能になるというのであれば、骨髄バンク事業におけるボランティアの役割は終わったということになるのでしょう。(I)

2009年07月11日

東京ドナー登録会予定(7月)

7月15日(水)晴海トリトンスクエア (中央区)
7月16日(木)晴海トリトンスクエア (中央区)
7月17日(金)晴海トリトンスクエア (中央区)
7月18日(土)東京ドーム22番ゲート (文京区)
7月19日(日)東京ドーム22番ゲート (文京区)
7月29日(水)東京都庁 (新宿区)
7月30日(木)東京都庁 (新宿区)
7月31日(金)東京都庁 (新宿区)

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