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第219号2010年7月1日号

2010年07月07日

全国協議会の電話患者相談窓口

 東京の会と同じく、今年設立20年周年を迎えた全国骨髄バンク推進連絡協議会は今春認定NPO法人の認定を受け、ますますの活動の充実を図っています。全国協議会は、かねてから患者さん支援活動に力を入れており、その一つに、毎週土曜日の「白血病フリーダイヤル」と「白血病と言われたら」(血液疾患闘病情報資料)の出版があります。
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 白血病フリーダイヤルは、1996年7月に開設され満15年を迎えました。フリーダイヤルは毎土曜日午前10時から午後4時まで、東京の会のボランティアを含め2.3人ずつ交替で当番を勤め、第2、第4土曜日には専門医も常駐して専門内容の相談を受けています。「白血病と言われたら」はフリーダイヤル開設4年後に、それまでの相談内容を整理して、血液難病と診断された患者さんやご家族がどのような情報を必要とされるのかを検討して、全国の血液疾患分野の専門医や専門家、ボランティア団体の協力を得て編集されたものです。
 ボランティア相談員は当初16名で発足し、現在も14名が相談を担当していますが、当初からのメンバーは4名になりました。最近は、種々の医療分野で情報や患者さんの闘病記などが豊富に出されていますが、当時はまだ入手は容易ではなく、骨髄バンク設立後4年を経過してドナー登録者7万人余り、骨髄移植も累計約800人とようやく軌道に乗り始めた時期でした。
 
 開設当初の相談受付状況と最近の受付状況を全国協議会の資料で比較してみると次のような変化が見られます。
(1)相談対象患者さん
①50歳以上の高齢患者さんの比率が高くなってきています。(発足直後9ヶ月の実績が約26%であるのに対し、最近の実績では約35%)
②10歳未満の小児患者さんの比率が40%減少しています。(約8%→約5%)
③青年中年層の20.50歳未満の患者さんの比率には大きな差がありません。(約40%→約44%)

(2)相談内容
①相談内容は最新治療方法・治癒確率、病気の見通し・予後の比率が高まってきています。(約58%→約67%)
②発足当初多かった医療費及び病院紹介の相談が半減しています。(約14%→約8%)

(3)相談者
①相談者では患者さん本人の比率が高まってきています。(約28%→約37%)
②患者さんの年齢の変化と共に両親からの相談が減少し(約34%→約22%)、お子さんからの相談が増えています。(約9%→約15%)

(4)患者さんの病種と年齢分布
①病種で最も比率の高いのはAML(急性骨髄性白血病)ですが、年齢が最近では中年・高年層にシフトしてきています。(約34.6歳→約42.0歳)
②CML(慢性骨髄性白血病)でも、同様に中年・高年層へのシフトが見られます。(約41.7歳→約46.2歳)
③ALL(急性リンパ性白血病)では、低年齢層が中心ですが、青年層へのシフトが認められます。(約21.7歳→約27.9歳)
④MDS(骨髄異形成症候群)では、中年層へのシフトが認められます。(約40.0歳→約45.6歳)

 以上は全国協議会の白血病フリーダイヤル資料(情報誌「骨髄バンク」第3号1997.6および全国協議会理事会議事録添付資料)を参考にしましたが、わが国の血液難病患者さんとご家族の動向の一端が示されてされているのではないかと思われます。。
 電話相談は15年経った現在でも、開設日によって若干の差がありますが、平均すると7.8件、専門医常駐日には11.12件の相談が入っています。ご相談される方の負担のない「白血病フリーダイヤル」は、相談される患者さんと家族のよりどころとしての役割が増大しています。「白血病フリーダイヤル」と「白血病と言われたら」は血液難病患者さん、ご家族にとって重要な役割を果たしています。東京の会としても、より一層の充実のため、今後とも全国協議会の活動を支援していきたいと思います。

平成22年5月末日現在 登録・適合状況

日本骨髄バンクの登録患者と検査済登録ドナー(平成22年5月末日現在)
―――――――――――――――――――――――――
      ドナー(全国) ドナー(東京) 患者(累計)
―――――――――――――――――――――――――
登録者総数   361,396     51,838   30,307
5月登録分    3,059      262     195
5月抹消数    929      104     -
実質登録増    2,130      158      -
―――――――――――――――――――――――――

患者とドナーの登録・適合状況(5月末日現在)
ドナー登録受付者数(累計)    465,170人
ドナー登録抹消者数(累計)    103,774人
有効二次検査済ドナー数     361,082人(5月2,140人増)
二次検査適合ドナー数(累計)   222,087人
実質登録患者実数(現在)      2,658人(国内1,395人)
HLA適合患者数(累計)       24,653人(患者累計数の81.3%)
非血縁移植実施数         11,763例(5月実施85例)

非血縁者間PBSCTを考える(第3回)

 前回は、ドナー側、患者側から非血縁者間PBSCT導入の必要性について考えました。その結果、患者にとってコーディネート期間の短縮や提供ドナーの増加につながればメリットがあること、ドナーにとっては、身体的負担という意味では骨髄提供と同等だが、G.CSF投与を外来で受けられれば、入院日数が短縮され日程調整がしやすくなるというメリットがあると考えられます。ただ、いずれも仮定の部分があり、実際にどこまでメリットが出てくるかは未知数です。


●骨髄バンクにとっての必要性
 次に、骨髄バンク(財団)にとってのPBSCT導入の必要性、メリットについて考えてみます。財団がPBSCTを導入する理由は、中間答申書によれば以下の通りです。①非血縁者間PBSCTは世界的な標準医療であり一日も早く導入しなければならない、②コーディネート期間の短縮、骨髄採取施設の制約の緩和が期待できる、③患者救命のための有効な代替措置となり得る、④ドナーの提供の選択肢が増える(骨髄採取不適格ドナーや全身麻酔に不安を感じるドナーの有力な選択機会となる)
 ①については、前回、日本の場合はさい帯血バンクが骨髄バンクと相互補完的に機能しており、他の国とはやや異なる事情もあることを指摘しました。②は一番大きなメリットだと考えられます。ただ先程述べたように、それが実際どこまで効果が現れるのかが焦点です。
 ③については、何がいいたいのかこれだけではよくわかりませんが、中間答申の原案では「現行の骨髄移植で不幸にして事故が発生したような場合」の有効な代替措置となり得る、となっていました。これはおそらく死亡事故等の重大事故による骨髄採取の全面的な中止という事態を想定していると思われますが、骨髄採取が危険だという印象を持たれることを避けるために、カットされたのでしょう。現状での代替措置としてはさい帯血バンクがありますが、患者の体重と細胞数による制約や、保存数を急には増やせないこともあり、骨髄採取が全面的にストップした場合には、PBSCTの存在は大きいものとなるでしょう。また逆にPBSCTで重大事故が発生した場合も同じ事が言えます。重大事故は起こってはならないことはもちろんですが、万一起こった場合に代替措置があるということは、危機管理の面からも、患者救済の観点からも意味があると言えます。ただし、そういう事態が起きた場合の危機管理プログラム等が整備されていなければ機能しないでしょう。財団にはそこまで考えて欲しいと思います。
 ④については、確かにその通りです。ただ、それだけで飛躍的に提供ドナーが増えることは期待できないと思います。骨髄とPBSCのドナー適格基準は中間答申でも基本的に同じとなっており、PBSCTのみ可能となるのは腰痛等の整形外科的な症状と麻酔アレルギーなど、限られたケースです。骨髄採取における全身麻酔の不安や採取後の痛みに対しては、PBSCTにもG.CSF投与やアフェレーシスの副作用があり、きちんと説明すれば、骨髄採取は不安だがPBSCならOKという方(ドナー及び家族)がそんなに多くなるとは思えません。
 全体として、非血縁者間PBSCTの導入は骨髄バンクにとっても意義があることは間違いありません。問題はその効果をいかに発揮して、より多くの患者救済につなげていくかということです。


●ドナーから見たリスク
 では、一方でデメリットやリスクはないのでしょうか。ドナーのリスクの面では、G.CSF投与の長期的なリスクは否定されましたが、重篤なものを含めた短期的な副作用が起こりうることは確かです。そのリスク度合は骨髄提供と同等であることを前提として、コーディネートにおいて丁寧な説明をしなければ、実際にPBSCで重い副作用が出たドナーから苦情が出たり、PBSCはものすごくつらいといった風評が立つ危険性があります。リスクを強調しすぎてドナーの意欲をそいではいけませんが、PBSCは骨髄より安全で楽というような間違った認識を持たれないようにすべきです。これはドナー登録時の説明にも言えます。また、全身麻酔下の骨髄採取と異なり、G.CSF投与からアフェレーシスまで、ドナーは意識がある中で副作用を長期間我慢しなければならないということがあります。血縁者間であればつらくても耐えられるかも知れませんが、非血縁者間の場合はドナーにどこまで我慢をしてもらうのか。ドナーの体調管理や採取中止判断など、ある意味で骨髄採取以上に難しい面があるように思います。特に、外来でG.CSFを投与するとなると、通常入院で行われる血縁者間移植の場合より管理が困難です。しかし、外来投与ができなければ、入院日数は骨髄採取より長くなってしまうという裏腹の関係にあり、これが安全にかつスムーズにできるかどうかが、非血縁者間PBSCTが骨髄移植と同等に定着できるかどうかのカギを握っているように思います。
 中間答申でも、外来でG.CSFを投与する場合のドナーフォローアップについて検討されています。結論としては「財団事務局あるいはコーディネーターが体調等をチェックシート等で質問する」「ドナーに自制不可能な副作用が起きたり、不安が増大したりした場合は、本人または家族が各施設に連絡し、各施設が適切に対応する」「極めてまれだが重篤な副作用が現れたときは、救急医療として対応する」「ドナー手帳を発行し、投与施設以外の医療機関でもドナーの状況を把握できるようにすることを検討する」などとなっています。考えられるのはこうしたことでしょうが、ドナーの安全に関わる重要な点であり、体制整備を十分に行う必要があります。


●コーディネートや体制整備に関するリスク
 また、PBSCTの導入により、コーディネートの初期において、骨髄提供だけでなくPBSCについても説明しなければならず、ドナー本人や家族の選択、あるいは患者側の選択にかかる時間も含めて、コーディネート過程の複雑化や長期化につながらないかという懸念もあります。選択肢が増えることはいいことですが、コーディネートシステムの整備は十分検討して行う必要があります。
 また、採取病院において手術室や麻酔医の確保がいらないということは、PBSCTの大きなメリットですが、いままで骨髄だけだった採取がPBSCもということになれば、病院の採取体制(G-CSF投与やアフェレーシス)の整備や統一マニュアルの作成など、新たな課題が出てきます。コーディネートシステムやマニュアルの作成、採取病院の認定基準、採取基準などは導入に向けて準備が進められていると思いますが、10月までにどこまで整備ができるのか不安も残ります。また導入当初は試行錯誤にならざるを得ない部分もあります。財団も段階的に試行しながら、対象ドナーや採取病院を拡大していく方針のようですが、様々なシミュレーションをしながら、慎重に進めてもらいたいと思います。
 いずれにしても、PBSCT導入によるコーディネート短縮の成果が目に見えるものになるかどうかは、財団及び採取病院の体制整備が進んだあとに判明すると思われます。
 費用面では、PBSCT導入に伴う新たなコーディネートシステム構築について、来年度予算で国の補助金が下りるかどうかは重要な点です。また、コーディネーターや事務局の要員を増やす必要があるとすれば人件費の増加が想定され、チャンスの改定や説明資料作成、広報等の費用も掛かります。ドナー傷害保険についても適用範囲をPBSCTにまで広げる必要がありますが、保険料はどうなるのか。財団はある意味で見切り発車をしていますが、こうしたコストの算定と補助金等財源の確保に向けた取組みも重要となります。まさかとは思いますが、コストの増加分を患者負担金に転嫁することは絶対に避けるべきです。
 また、ドナーや一般国民への広報活動とともに、直接ドナー(候補者)と接するコーディネーターや説明員等に対する研修の徹底も重要です。システムやマニュアルの整備とあわせて、早急に着手する必要があります。そしてもちろん、私たちボランティアにも十分な説明をお願いしたいと思います。
 非血縁者間PBSCT導入の必要性と、リスクの検討については今回で一区切りとします。次回は、財団の委員会でも議論になったプアモビライザーと凍結の是非の問題、骨髄提供かPBSC提供かを選択するドナーの意思決定方法などについて、考えてみたいと思います。 (二見茂男)

患者からのメッセージ
一滴一滴 権藤 玲恵(あきえ) 53歳

 大きな病院の前を通る時、「この建物の上の方の階に血液内科の病室があり、そこに苦しさの中遠くの空を眺めている患者さんがいる」といつも思います。丁度10年前のことが思い出され「大丈夫、きっと治る!」と言いに病室まで駈け出して行きたい思いに駆られます。
 公的検診で街の診療所で受けた血液検査結果、取り違いがおきたのでは、と思える内容、再検査の結果、1回目と同じ結果が返ってきて、「がんか白血病です。すぐに血液内科に」と紹介状を渡されました。
 何の自覚症状もなく、全く健康そのものの状態でしたので「どれだけ藪医者!」と放っておいたのを家人に怒られ外来を受診。担当の先生は「すぐ病棟に。準備に帰宅することもこの数値では……」と、即入院でした。
 聴診器を背中に当てるためにくるりと後ろを向いたときに、ぽたぽたと涙が落ちてきたことを覚えています。なぜこのようなことが私の身に突然おきるのか、何が原因なのか、大学受験を控えた上の子供、まだ小学校低学年の子供、やることは山ほどあるのに1日中ベットの上。入院した病院の後ろには大きな団地があり、夕方になると1つ1つの窓に電気が灯ります。贅沢を言って叶わないとごねている訳じゃない、家族のために夕飯を作るというささやかな願いまで取り上げられるのか、考えても考えても答えの出ない大混乱の日々でした。
 詳しい検査を進めていくたびに、慢性か急性か、骨髄性かリンパ性か、フィラデルフィア染色体まで陽性、兄弟とも型があわず、結果が出るたびに悪い方を選んで坂道を転げ落ちていく心地がしました。抗がん剤治療をしても再発を繰り返すタイプ、移植の適応と診断され、すぐに骨髄バンクに患者登録しました。何ヶ月も窓際のベットから外を眺めました。
 病気の世界と健康の世界、世界は二分されていて、病気の世界に押し込まれている思いに捕らわれていました。ある時窓の下の横断歩道を渡る人たちを見ていて、この中に病気になったことのある人がいるはず、身内を亡くされた人だっているのでは、とふと思いました。今現在、という時間の軸で横並びに考えると私は病気の方に属しているけど、人の一生の線、縦の軸で考えると、今が一番つらい底にいる苦しい時期、今は健康を取り戻した方が苦しい時に、私は伸び伸びと暮らしていたでしょう。縦軸の考え方に切り替え、このどん底から這い登れば良い、と思いました。告知される生存率のデータも厳しいものでしたが、そのデータに私のものは含まれていないのだし、99%だめでも1%の中に入れば100%、そのために良く食べ寝ることと家人の励ましもありや、と気持ちを落ち着けることができました。
 とはいえ、骨髄バンクに適合者のドナーの方がおられなければ、3週間1クールの抗がん剤治療をやり続けて待つ、という命の瀬戸際に立たされていることに変わりはありませんでした。「5人も一致した方がいました!」と主治医が病室に走ってきてくれました。ドナーの方はすぐに応じてくださり、入院から7ヶ月目に移植の日を迎えました。無菌室に、産まれたての赤ちゃんのようにタオルに包まれた骨髄液が運ばれてきました。私の静脈に一滴一滴とドナーさんの骨髄液が点滴によりおちていきます。命という言葉は、信頼や愛情という言葉と同じに目に見えない概念的なものですが、一滴一滴私には目に見える命そのものでした。
 ゆっくり休んでて良いのですよと看護師さんに言われましたが、大事な骨髄液をこんなにたくさん、一滴一滴が嬉しく有り難く申し訳なく勿体なく見続けました。「今頃ドナーの方はどうされているのか、麻酔から目覚められて痛みは無いか、大丈夫でおられるか」とビニールカーテン越しに見守ってくださっている看護婦さんにたずねると、「権藤さん、ドナーの方ね、きっと今頃ベットの上で、ばんざいっ!てしています。人の命を救うというこれ以上ない尊いことをされたのですからね」とにっこりされました。本当にこれ以上のことがあるでしょうか。どこの誰かもドナーの方はご存じないのです。一滴一滴おちてくる骨髄液を見ながら、私も一滴一滴と涙がおちてきて止まりませんでした。
 昨年の12月、移植数が1万例に達したそうです。私は1万分の1、患者が1万人、ドナーとして提供された方が1万人、1万人もの方がです。悲しいニュースが多い中、1万人もの応じられたドナーの方のことを思うと、ホカホカと暖かな毛布にくるまれるような思いに満たされます。
 私に提供された骨髄液は、順調に生着、3 ヶ月後に退院、その晩から夕飯を作り、移植から10年、今日に至っております。私の子供のために、自分の子供にお弁当を2つ持たせてくださった方、下の子供は曜日変わりで学校から直接帰宅させ預かってくれた方、おかずを届けて治ることを願い祈ってくれた大勢の友人、家族、親せきの想い、治療に携わり支えてくださった方々、何よりも、研修医の白衣の裾を「東西南北だけでも教えて、教えてくれるまで離さない」と脅して聞いた、私より北におられるドナーの方、つなぎ止められた命をどう生かしていくのか、言葉に書き表わせない感謝の気持ちとともに、毎日思いを巡らせています。 (東京都在住)

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2010年07月06日

~voice~ こころをつなぐ
同じ悩みを持つ方に伝えたい 中田 晶子

 この度は、〈東京の会通信〉をご覧の皆様に、僅かながらも明るい情報になるかもしれないと思い、僭越ながら私の経験を投稿させていただきました。以下の内容は決して営利目的ではなく、また、特定の商品や人物を批判や否定する意図は一切ございません。私自身が感じたことを素直にお伝えするものですので、どうぞご理解いただきたくお願い申し上げます。
 私は昨年6月に受診した健康診断、そしてその後の精密検査で乳がんと診断され、ホルモン療法を経て9月に手術を受けました。術後の回復は良好でしたが、病理検査の結果などから化学療法を勧められて自ら選択。4回の抗ガン剤治療を受けました。その時の副作用の影響で、外出時は今でもかつらを利用しています。
 治療前に、副作用には個人差があるが、私の治療では脱毛だけは避けられないと医師から言われたため、元気なうちにかつらの準備をしたいと、病院設置のパンフレット数冊をいただきました。そこには様々な商品が、どれもとても自然でおしゃれに写っていました。
 最初に、セミオーダーと記載のある商品を見ましたが、これらは最低で15万円代。初めて知るその価格には大変驚かされました。次に比較的安価な商品(人工100%または人工・人毛混合で5万円代.)を見つけ、お店に伺いましたが、写真と実物では印象や装着感にかなりの違いがあることが分かりました。お手入れには専用スプレー(別売り)が必要な事、自分でシャンプーができない事と、たとえ前髪のカットでも美容院への依頼が必要だと説明されました。私にも行きつけの美容院があります。しかし、時として病気の話題は、聞き手やタイミングを選ぶ事も大事であると私は思っています。こんな理由から仲の良い美容師さんには、元気になり再び伺えるようになった時に病気の話もしようと心に決めていたので、この説明を聞いた時には少し悲しくなりました。
 そんな時に出会ったのが、今回ご紹介するかつら店です。住まいが近いことで知ったこのお店は、かつらに関して熟知されているオーナーが営む小さな専門店です。お店に伺うと、軽く使用の経緯を尋ねられ、私に合いそうなタイプを幾つか選んでいただき試着しました。そして、『たとえ高価な物でも直接触れて試着することが大事』と、選び方のアドバイスもいただきました。私は納得しながらも、もう少し他の商品とも比較してみたいと正直にお話しすると、快い返事と共に、「不安な点はいつでも連絡下さい。」と言われた一言が、とても暖かく感じました。そして再び検討した結果、こちらでの購入となったのです。
 私のかつらは、人毛100%で6万円代という商品です。使用する私と、注意点をご存知のオーナーとが話し合いながらスタイルを決定し、要望に合うようにカットをしていただきました。購入の一番の決め手は、自分でシャンプーでき、清潔に保てるといがありません。違和感のない着用、そして見た目の自然さは家族や友人からも好評です。また、人毛100%の商品の場合は、オプションでカラーやパーマも可能ですし、シャンプー・トリートメントなどのアフターフォローも受付けていただけます。(別料金)
 ところで、自宅でのリラックスタイムにかつらは必要ないと私は思います。但し、そのような場合でも、保護・保温・見た目等の観点から、頭部を覆う物が必要であると実感しました。(特に冬の寒い事!)
 しかしながら、こちらも価格や機能面に見合った商品が見つからず、私は自分でキャップを作って愛用していました。
 しばらく月日が経つうちに、『自分に似合い、価格が手頃で手入れの容易なかつら』や、『デリケートな肌に合ったキャップ』を必要な方が、私以外にもいるはずだという思いが日に日に大きくなっていきました。そこで、この思いをオーナーに話してみたところ、パンフレットを作って必要な方に紹介したいという考えが一致しました。キャップは私が心を込めて作らせていただき、私のメッセージを見て購入していただいたお客様にもれなくプレゼントさせていただこうと準備をしています。
 病気と共存している私達は、とても複雑な気持ちを抱えて過ごしています。金銭や心にかかる大きな負担、仕事や人間・家族関係、そして、肝心な自分自身の命の事。考えたらキリがありません。その生活の一環として治療以外の『生活必需品』が欲しい時にさえ、金銭や精神面の負担を拭えず、そのことが私達をより悲しくするのだと感じます。病気になってしまった事実は誰にも変えられず、誰しも悪くはありません。それをいかに明るく前向きに受け止めて、様々な問題の1つでも、少しでも軽くできたら…と願うのは、本人はもとより陰で支えてくれる家族の願いであることに間違いありません。
 今では、こんな私の思いにご同感いただいた、私がお世話になっている病院や薬局などで、少しずつパンフレットを置いていただけるようになりました。皆様の周りでも、病気に関わらずかつらを必要としている方がいらっしゃいましたら選択肢の一つとしてご紹介いただければ幸いに存じます。

〈今回ご紹介したかつら店〉
Art Care(完全予約制)
 TEL:045-503-0912
 (JR鶴見駅東口徒歩1分)
まずは、お電話ください。そして、ご予約の際に、「東京の会通信を見た」とお伝え下さい。ご購入いただいた場合には、ホームキャップを1つプレゼントさせていただきます。

♪「7月定例会」/8月会報発送「おりおり」 のお知らせ♪

東京の会「7月定例会」のお知らせ
7月17日(土)午後5時30分より
会場:全労済東京・レインボー会館3階会議室
※新宿駅下車7分(新宿区西新宿7-20-8)
※西新宿駅下車1番出口徒歩2分
青梅街道新宿警察署きらやか銀行の角入ってすぐ右側
※8月定例会予定・8月21日(土)午後5時30分より
定例会は 毎月第3土曜日午後5時30分 から開催しています。

8月会報発送「おりおり」のお知らせ

8月7日(土)13時00分より
※開始時間が変更になりました。13時以降にお越し下さい。
場所:品川運輸・4階会議室(品川区東大井2-1-8)
JR大井町駅徒歩8分・京浜急行鮫洲駅徒歩2分
※今お読みになっている「東京の会通信」を約1000部折って封入して発送します。簡単な誰にでも出来る作業です。いつも人手が足りません。どうかご協力を。
※9月「おりおり」予定・9月4日(土)13時00分より

東京ドナー登録会予定(7月)

7月8日(木)羽村市役所(羽村市)
7月10日(土)ぽっぽ町田(町田市)
7月14日(水)文京シビックセンター(文京区)
7月16日(金)世田谷ビジネススクエアー(世田谷区)
7月20日(火)晴海トリトンスクエアー(中央区)
7月21日(水)晴海トリトンスクエアー(中央区)
7月21日(水)赤羽駅東口(北区)
7月21日(水)都庁(新宿区)
7月22日(木)晴海トリトンスクエアー(中央区)
7月22日(木)都庁(新宿区)
7月23日(金)晴海トリトンスクエアー(中央区)
7月23日(金)都庁(新宿区)
7月24日(土)蒲田駅西口(大田区)

心のこもったご寄付ありがとうございました。(2010.5.16〜6.15)

藤里 佳世子さん 7,000円/仲本 淳・圭子さん 10,000円/若林 秀子さん 10,000円/匿名 48,000円
お寄せいただいたご寄付のうち、会費未納の会員からは会費(年3,000円)を差し引いて掲載させていただきました。

◆編集者雑記◆


▼先月号の編集者雑記でお伝えしたとおり、6月6日午前に予定されていた全国協議会定期総会は、急きょ延期されて代表者会議に変更となりました。この第1回代表者会議の冒頭、中野理事長より総会を延期と決定したことに対するお詫びがあり、菅事務局長から、延期に至る経過報告がありました。
▼認定NPOを取得するため、国税局へ提出する膨大な資料の作成に事務局運営の大半を費やし、肝心の総会で審議するための決算書や予算書、その他議案書の作成が間に合わなかったこと。困難が予想された認定NPO取得だったが、急転直下4月16日に国税局より認定を許可されたこと、その直後に大口の寄附があり、その対応にも事務局が追われてしまったこと、理事会の中でも今回の一連の出来事を経過報告し今後の対応を諮る時間がなく充分議論されていなかったこと、などが報告されました。
▼実は4年前に、全国協議会会長の大谷貴子さんが、ある医療関係の方より大口寄付の申し出を受けました。大谷さんが自己犠牲を払ってでも日々患者さんのために尽くしている姿に対し、その医療関係の方が「心意気に惚れた」と、全国協議会通常収入規模の3年分以上になる寄付金額を提示されたのです。認定NPOに対する寄付には企業・個人とも税制上大きなメリット(寄付金控除)があるため、全国協議会は頑張って認定NPOを取得しようと4年越しで取り組んできました。そして、その大口の寄付金が認定NPO取得と同時に全国協議会宛てに振り込まれました。
▼認定NPOになっても、全国協議会と各地団体との関係は変わりません。ただ認定NPOでは、会員である各地団体に対する利益供与と見なされる支出は認められません。例えばキティーちゃんティッシュやうちわを各地団体への助成として無料で配布することはできないのです。各地団体が買い取るか、イベントを全国協議会と共催して、そのイベント用に全国協議会が現物を拠出するか、どちらかになります。大口寄付は入りましたが、支出方法には制限がかかることになりました。
▼全国協議会加盟の各地ボランティア団体の中には、全国協議会に払う年会費の捻出ができずに減免申請する団体もあります。大口の寄付で全国協議会の経営上の問題は無くなったのだから、会費を下げてほしいという声も一部の加盟団体から出ています。ただ、グッズと同様に各地団体に利益供与したと見られてはならないのが難しいところです。年会費を全国一律にするのではなく、一定のルールの下現実に即した設定にするなど、工夫が求められます。
▼今回延期された総会は、7月4日に開催することが発表されました。総会までの間に、全国協議会の今後のありかたについて意見を出すよう求められています。事前の事務局の準備不足も有り、今年の総会は予定が延期になりました。理事会の運営姿勢が現時点で問題がないのか、事務局の体制はどうか、大いに各加盟団体からの意見を交換し合いながら、将来像を作り上げたいものです。 (A)

About

「東京の会通信」の「第219号2010年7月1日号」のページです。発行月別に掲載しています。

先月号は第218号2010年6月1日号です。

他にも多くの記事があります。メインページすべての通信も見てください。

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