祝辞

      九州骨髄バンク推進連絡協議会設立十周年を祈念し、「'99年全国骨髄バンクボランティアの集いin沖縄」が開催されますことを心からお祝い申し上げます。
      また、全国各地からお集まりの皆様方を、心から歓迎申し上げますとともに、日ごろからそれぞれの地域において骨髄バンク推進事業にご尽力いただいていることに対し深く敬意を表します。
      現在、移植の要件であるHLAの適合率が非常に低いため、骨髄移植を推進するためには、全国規模で多数の骨髄提供希望者を募る必要があります。骨髄バンク推進連絡協議会のボランティアの皆様をはじめ、多くの関係者のご尽力により、昨年八月にはドナーー登録者が当初目標の十万人を突破したところであり、また、同バンクを介した骨髄移植は、現在二千例以上に達し、骨髄バンク推進事業は着実にその成果を上げています。
      本県におきましても、さる六月一日か琉球大学医学部付属病院が骨髄移植認定施設として認められ、県内での非血縁者間の骨髄移植が可能となりました。これまで、東京、名古屋、大阪、福岡等遠く離れた医療施設での骨髄提供や骨髄移植を余儀なくされていたところでありますが、県内での認定施設の整備は、ドナー登録の拡大や骨髄移植の推進に大きく貢献するものであり、関係者の皆様のこれまでのご尽力に対し、深く感謝申しあげます。
      しかしながら、いまだに適合するドナーをみつけることができない患者さんも多く、新たに設定されたドナー登録目標三十万人を突破するために、骨髄バンク推進事業を今後とも協力に推し進める必要があります。
      このような中、全国で日夜を問わず骨髄バンクの推進に取り組まれている皆様が本県に集い、正しい知識の普及・啓発に併せて全国的なネットワークづくりを推進されることは誠に時宜を得たものであります。これを契機として、本県の骨髄バンク推進事業はもとより全国津々浦々まで善意の輪がさらに大きく広がり、ますます骨髄バンク事業が発展していくことを期待します。
      終わりに、本大会の御盛会と全国骨髄バンク推進連絡協議会の皆様のますますのご健勝とご活躍を祈念いたしまして、ごあいさつといたします。

      平成十一年六月十九日

    沖縄県知事 稲 嶺 恵 一