患者になると、身体的苦しみと、働きたくても会社に行けない、子どもさんならみんなと遊びたくても遊べないといった心の苦しみに襲われます。
しかし、それと同じぐらい実はそばにいる家族の方々も苦しい立場に置かれます。
どうしても、病気の主人公である患者さんにスポットが当てられがちですが、ご家族の患者さんのつらそうな姿を見ると、どのように対応し、その苦しい胸の内をどう受け止めていいのか日々悩み続けてしまう。中には「もう死んでしまいたい!」と言われ、その思いをどのようにして受け止めればいいのか。そんな方々も多いのではないでしょうか。
患者家族になると、しんどい思いをしている子どもや親、妻、夫がいるので、遊んではいけない、楽しんではいけないと誰に言われるともなく自分自身で制約をかける生活を送ってしまい、家族の方々自身も元気をなくしかねません。
患者さん全て同じ意見ではないと思いますが、大多数はこんなことを考えていると思います。
「あまり気にせず、心配しないで欲しい。遠慮なく遊んでほしい。あなたが元気になってくれないと私も現にならない。あなたが落ち込むと私も落ち込む。私のために犠牲にはならないでほしい。病気になったことを本当に申し訳なく思っているのだから…。」
「心配ないでとか、遠慮するなと言われてもそれは、難しい…。」
ごもっともだと思います。
移植患者本人から、(血液とは関係のない別の病気ですが)患者家族の側に立場が変わった時、その難しさを痛感しております。
患者本人とその患者家族には、互いにちょっとして遠慮の溝が生まれるのかもしれません。
「病気にさせてのは、私の責任」
このように考えるご家族もいらっしゃるようです。
ご家族が病気になったのは、決して誰のせいでもありません。
少しでも良くなるよう、元気な身体に戻れるよう、患者さんのサポートに全力を尽くしてほしいと思います。
そのためには、家族の方自身が元気であることが大切だと思います。
患者側、患者家族側の両方の経験からすると、ご家族の方は、病気の患者さんを特別扱いをすることなく、今まで通り普通に過ごすのが一番だと思います。また、患者側のわがままを言えば、家族の方が、がむしゃらにネット等で情報を集めるあまり、患者さん本人と顔を合わすことなく異変に気づかない場合もあるので、注意して頂きたいところです。
神戸の会には、患者家族の方もいらっしゃいますし、他の患者会もいくつか存知あげています。
患者家族として、少しつらい思いをしている人・した人はあちらにもこちらにもいます。自分一人ではないことを知ると少し楽になります。
患者さんのためにも気持ちが折れないようにして下さい。
患者さんが本当に頼りにしているのは、医療スタッフではなく家族のあなた方なのです。
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